国際協同組合同盟

国際協同組合同盟（ICA）

国際協同組合同盟（ICA）は、1895年に設立された国際的な協同組織およびそのネットワークであり、スイスのジュネーヴを本拠地としています。この組織の主な目的は、協同組合運動を推進し、協同組合の価値と原則を守り、協同組合間の協力を促進することです。また、協同組合を通じた世界平和の実現にも取り組んでいます。ICAは、情報の発信、国際会議やセミナーの主催、国連への提言など、多様な活動を通じてその目的を果たしています。

団体は、世界の105カ国から301の協同組織が加盟しており、これらの組織には農業、消費者、信用、保険など、多くの分野が含まれています。そして、傘下の協同組合の数は10億を超えるとされています。ICAは、国際連合のグレードAのオブザーバーとして活動し、経済社会理事会を始めとする国際機関で議題を提案する権限を持つ一般カテゴリーの諮問機関でもあります。

組織の仕組み

ICAの最高議決機関は、2年に1度開催される総会です。この総会には、各加盟国から1名の代表が出席しますが、1カ国の代表が総会で占める割合は15%を超えてはなりません。ここでは、前回の総会からの活動報告を承認し、次回総会までの方針や活動計画、理事の選出が行われます。日常的な運営は、会長をはじめとする16名の理事会が担い、専務理事が本部事務所で責任を持って業務を行います。

さらに、地域ごとに事務局が組織され、年次の地域総会も開催されています。地域事務局は以下のように分かれています：

- アフリカ地域事務局（ナイロビ）
- 南北アメリカ地域事務局（サンホセ）
- アジア・太平洋地域事務局（ニューデリー）
- ヨーロッパ地域事務局（ジュネーヴ）

専門機関と委員会

ICAは、協同組合に関連する9つの専門機関と、特定の課題に応じた4つの専門委員会を設置しています。

専門機関

- 国際農業協同組合機構（ICAO）
- 国際漁業協同組合連合（ICFO）
- 国際協同組合保険連合（ICMIF）
- 国際保健協同組合機構（IHCO）
- 国際協同組合銀行連盟（ICBA）
- 国際協同組合住宅機構（ICA Housing）
- 国際労働者生産協同組合連合（CICOPA）
- グローバル生活協同組合委員会（CCW）
- 国際旅行協同組合（TICA）

専門委員会

- 男女共同参画委員会
- 人的資源開発委員会
- 調査委員会
- コミュニケーション委員会

協同組合の原則

ICAは創設以来、協同組合の定義や原則を樹立し、時代に応じて改訂してきました。1921年にはロッチデール原則が正式に制定され、次に1937年に協同組合7原則が採択されました。これらの原則に基づき、協同組合は次のように定義されます。

- 協同組合は、自発的に結びついた人々が、共通のニーズを満たすために共同で所有し、民主的に管理する組織である。

協同組合が基にする価値は、自助、自己責任、民主主義、平等、フェアネス、そして連帯感です。これらの原則を実践することが、ICAの重要な役割の一つです。

活動内容

ICAはさまざまな活動を通じて協同組合の重要性を広めています。情報収集や発信に加え、国際会議やセミナーを通じて、世界中の協同組合の相互理解を深めています。また、国連や国際労働機関に対して積極的にロビー活動を行い、協同組合の役割が尊重されるよう努力しています。

1995年に国連によって国際協同組合デーが認められたことで、その存在はさらに広く認知されることとなりました。このように、ICAは協同組合の発展とその社会的な意義を広めるために、さまざまな手段を用いて活動しています。

日本における加盟団体

日本の協同組合は、1909年に東京購買組合共同会が最初に加盟し、1930年代には産業組合中央会が活動を行っていました。しかし、戦争の影響で一時脱退も経験します。戦後、賀川豊彦を会長とする日本協同組合同盟が発足し、1947年の中央委員会でICAへの加盟決議が採択され、以降日本からは多くの団体がICAに加盟しています。現在、日本には14の団体が加盟しており、協同組合間の連携強化を目指しています。

以上が国際協同組合同盟に関する概要です。協同組合の進展とその価値を推進するため、ICAは今後も重要な役割を果たし続けることでしょう。

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