国際哲学オリンピック

国際哲学オリンピック（IPO）とは

国際哲学オリンピック（International Philosophy Olympiad, IPO）は、1993年に創設された中学生・高校生を対象とした国際的な哲学エッセーコンテストです。世界各国から選抜された代表者が集まり、哲学的な思考力と文章表現力を競います。この大会は、国際哲学協会連盟（FISP）の後援を受け、ユネスコの協賛で開催されており、哲学教育の振興に貢献しています。

大会の概要

各参加国は国内予選を行い、選ばれた2名の代表を派遣します（開催国は10名まで）。
参加者は、FISPが選出した4つの課題の中から1つを選択し、母語以外の言語（主に英語）で哲学エッセーを執筆します。制限時間は4時間で、辞書の使用は認められています。
エッセーは匿名で厳正に審査され、金、銀、銅のメダル受賞者が決定されます。近年、参加国は増加傾向にあり、2019年には50カ国が参加しました。

日本の参加

日本は2001年から毎年参加しており、2002年には東京で第10回大会が開催されました。日本代表の選考は、以下の2段階で行われます。

1. 日本倫理・哲学グランプリ
- 第一段階の予選として、日本語による哲学エッセーコンテストが実施されます。
- 参加者は、提示されたテーマの中から1つを選び、A4用紙4000字程度のエッセーを執筆します。
- 提出されたエッセーの中から、金賞、銀賞、銅賞、奨励賞が選出されます。

2. 国際哲学オリンピック選考会
- 日本倫理・哲学グランプリの入賞者を対象に、英語でのエッセー選考会が開催されます。
- 選考会の上位2名が、日本代表として国際哲学オリンピックに派遣されます。

近年の状況と日本の成績

2020年と2021年は、新型コロナウイルスの影響によりオンライン開催となりました。

日本の成績は以下の通りです。

2001年～2006年: メダルなし
2007年: 奨励賞
2008年～2013年: メダルなし
2014年: 奨励賞
2016年: 奨励賞
2018年: 銅メダル
2019年: 銅メダル、奨励賞
2020年: 奨励賞
2021年: 銀メダル
2022年: 奨励賞

国際哲学オリンピックのメダル獲得は非常に難しく、メダル獲得者は全体の約1割程度です。銅メダル以上は、他の国際科学オリンピックの金メダルに匹敵するとも言われています。

日本人メダリスト

石川賀之（2018年 銅メダル）
八橋嶺（2019年 銅メダル）
黒田凛（2021年 銀メダル）

大会の特徴

国際哲学オリンピックは、単なる知識の暗記ではなく、論理的思考力、批判的思考力、創造的な思考力を総合的に問う大会です。参加者は、自身の哲学的な立場を明確にし、それを論理的に展開する必要があります。この大会を通じて、参加者は自己の思考力を深化させ、国際的な視野を広げることができます。

関連情報

日本倫理・[哲学]]グランプリ: [https://www.jpe-gp.org/
* International Philosophy Olympiad: https://www.philosophy-olympiad.org/

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