国際地理学連合

国際地理学連合（IGU）は、地理学分野における国際的な学術団体として、世界中の地理学研究の発展に大きく貢献しています。その歴史は古く、1871年にベルギーのアントウェルペンで開催された第1回国際地理学会議にまで遡ります。その後、1922年にベルギーのブリュッセルで開催された会議において、恒久的な国際組織として設立されました。

IGUは、多岐にわたる地理学の研究分野を網羅しています。34の研究委員会と4つの特別委員会が設置され、応用地理学、ジェンダー地理学、海洋地理学、景観分析など、様々なテーマに関する研究が活発に行われています。これらの委員会では、地理学の専門家たちが集まり、最新の研究成果を共有し、今後の研究の方向性を議論しています。

IGUの活動は、国際的な学術協力の促進にも重点が置かれています。国際科[[学会議]]（ICSU）や国際社会科学協議会（ISSC）といった他の国際機関と連携し、地理学研究の国際的なネットワーク構築に努めています。これにより、国境を越えた共同研究や情報交換が容易になり、地理学研究の更なる発展につながっています。

IGUの主な目的は、地理学研究の促進、国際協力の推進、地理学者の国際的な交流の促進、そして地理学情報の共有です。具体的には、国際地理学会議や地域会議の開催、国際標準化の推進、地理学データや文書の共有のためのプラットフォームの提供など、様々な活動を通してこれらの目的を達成しようと努めています。

日本はIGUの活動に積極的に参加しています。IGU日本委員会は、日本学術会議地球惑星科学委員会内に設置されたIGU分科会として組織されており、日本の地理学研究者とIGUとの連携を担っています。日本は、1957年に東京でIGUと日本学術会議の共催による地域集会を開催したのを皮切りに、1980年には東京で国際地理学会議を開催しました。この際には、国際地図学会議と併催され、記念切手が発行されるなど、大きな盛り上がりを見せました。2013年には京都で国際地理学会議が開催され、再び世界の地理学者たちが集結しました。

日本の地理学界からは、これまでに氷見山幸夫氏がIGU会長に就任しており、山崎直方氏、木内信蔵氏、多田文男氏、吉野正敏氏、田邉裕氏なども副会長を務めるなど、日本はIGUの活動において重要な役割を果たしてきました。IGUの活動は、地理学研究の発展だけでなく、持続可能な社会の構築や地球規模課題への対応にも貢献しており、今後もその重要性はますます高まると考えられます。IGUは、これからも世界中の地理学者を繋ぎ、地球環境問題や社会問題の解決に向けた取り組みを促進していくでしょう。

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