国際年齢評価連合

国際年齢評価連合（IARC）とは

国際年齢評価連合（IARC）は、デジタル配信されるアプリやゲームの年齢評価を行うことを目的とした国際的な団体です。この組織は、各国の年齢評価機関によって設立され、コンテンツが適切なユーザー層に届くように、レーティングのプロセスを効率的に進めています。特に、近年はデジタルコンテンツの普及が加速しているため、正確かつ迅速なレーティングの必要性が高まっています。

IARCは2013年、ロンドンゲームカンファレンスにおいて発表されました。この際、北アメリカのESRB、EUのPEGI、ドイツのUSK、オーストラリアのACB、ブラジルのClassIndの5つの評価機関が協力し、グローバルな取り組みを推進することが確認されました。初めての国際的な協力であることから、各国の評価基準を調和させることが重要なテーマとなりました。

2014年には、オーストラリアのACBがIARCの機械的評価プロセスを導入し、この評価方法が他の国・地域にも波及しました。17年12月には、韓国のGRACもIARCに加盟するなど、世界的なネットワークが拡大しています。IARCの特徴として、開発者が年齢レーティングを取得する際のプロセスが簡素化されている点が挙げられます。具体的には、ゲームやアプリの内容に関する質問に対する回答をもとに、各国の評価基準と照らし合わせてレーティングが決定されます。これにより、多くの場合で越境するデジタル配信におけるレーティングに関わる負担が軽減されるというメリットがあります。

2022年5月の時点で、Google PlayやMicrosoft Store、Nintendo eショップ、PlayStation Storeなど、大手のデジタルストアがIARCを採用しています。一方で、日本国内では、CERO（コンピュータエンターテインメントレーティング機構）がIARCに加盟していないため、状況が異なります。具体的には、MicrosoftはIARCを通じて「18+」の年齢レーティングを取得し、ゲームの販売が可能ですが、任天堂やSIE（ソニー・インタラクティブエンタテインメント）では「18+」のゲームに対してCEROのレーティング取得を求めているため、実質的に販売が困難な状況となっています。

CEROがIARCを採用しない理由の一部として、レーティング後の内容修正の可能性があります。IARCの特性として、リリース後でもコンテンツの修正ができることがありますが、それに対する調整作業は膨大となるため、パッケージゲームにはより厳密な審査が必要とされています。この点について、インタビューにおいてCEROはその重要性を強調しています。

レイティングの表示

IARCのレイティングは、特にNintendo eショップにおいて重要な役割を果たします。もしレイティングが「7+」を超える場合、評価の根拠となった要素（コンテンツディスクリプター）が表示されます。これにより、ユーザーはどのような理由でそのレーティングが付与されたのかを理解できるようになっています。

例えば、以下のような表現がレイティングの根拠になることがあります：

• - 性的表現: 性的な要素を含むこと
• - 暴力表現: 暴力的な行為やその暗示
• - 恐怖: 恐怖を引き起こすコンテンツ
• - 言葉: 激しい言葉遣いなど
• - ユーザーインタラクション: ゲーム内での実際のコミュニケーションや購入

これにより、ユーザーは自分や家族が安全に楽しめるコンテンツを選択しやすくなります。IARCの役割は、今後ますます重要となっていくでしょう。

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