国際標準視聴覚番号

国際標準視聴覚番号（ISAN）とは

国際標準視聴覚番号（International Standard Audiovisual Number, ISAN）は、映像作品を特定するための国際的な識別システムです。書籍におけるISBNと同様に、個々の映像作品に一意の識別子を付与することで、その作品の追跡、管理を容易にすることを目的としています。

ISANは、ISO（国際標準化機構）によって開発され、ISAN-IA（ISAN国際機関）によって管理・運営されています。映画、テレビ番組、ゲームなど、あらゆる視聴覚作品に適用可能で、制作段階から流通、視聴に至るまで、ライフサイクル全体を通して作品を一意に識別するために使用されます。

ISANの重要性

ISANは、映像業界における様々な利点を提供します。

一意な識別: 各作品に固有の番号を付与することで、同名の作品や異なるバージョンを正確に区別できます。
国際的な互換性: 世界共通の規格であるため、国境を越えた作品の流通や管理が円滑に行えます。
長期間の安定性: 一度割り当てられたISANは永続的に有効であり、作品のライフサイクル全体を通して一貫して使用できます。
効率的な管理: ISANを利用することで、ライセンス契約、配信、マーケティングなど、様々な業務における作品管理を効率化できます。

ISANの番号形式

ISANは、96ビットの番号で構成され、以下の3つの要素に分かれています。

1. ルート: 作品の中核となる部分に割り当てられる番号です。
2. エピソード/部: シリーズ作品のエピソードや、長編作品の一部に割り当てられます。ルートが同じでも、異なるエピソードや部を構成できます。
3. バージョン: 作品に変更が加えられた場合に割り当てられます。例えば、吹き替え版や字幕版など、異なるバージョンを区別できます。

96ビットのISANは、24桁の16進数で表現されますが、人間が読みやすいようにハイフンで区切られ、チェック文字が付加された形式で表示されます。

例: `ISAN 0000-0001-8947-0000-8-0000-0000-D`

ISANメタデータ

ISANには、作品のタイトル、キャスト、制作年、作品の種類などのメタデータが関連付けられています。これにより、作品をより詳細に特定し、管理することが可能です。

ISAN-IA（国際標準視聴覚資料番号機構）

ISAN-IAは、ISAN規格の運用を統括する非営利団体です。ISANシステムの維持、登録機関の認定、規格の普及などを担当しています。

ISAN-IAは以下の業務を遂行しています。

ISANの集中管理機関の維持
ISANシステムの運用、管理
世界中のISAN登録機関の認定
ISAN規格の普及促進

まとめ

ISANは、映像作品の識別、追跡、管理に不可欠な国際標準です。その一意性、国際的な互換性、永続性、効率性から、映像業界全体で広く利用されています。

外部リンク

ISAN International Agency (ISAN-IA)
ISAN Berne, 登録機関
AF ISAN, フランスの登録機関
ARIBSAN, スペインの登録機関
Austral Asia 登録機関
米国・ハリウッド拠点の登録機関
米国の登録機関
ISAN Deutschland
* ISAN PL, ポーランドの登録機関

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