国際法協会

国際法協会（The International Law Association、ILA）は、国際法の研究と発展を目的とした、イギリス・ロンドンに本部を置く非営利法人です。1873年に設立され、国際法分野において世界で最も古い歴史を持つ団体の一つとして知られています。

沿革

ILAは、当初「国法の改革と成文化のための協会」としてベルギーのブリュッセルで設立されました。1890年には、共同海損に関する国際的なルールであるヨーク・アントワープ規則を発表。この規則は、国際的な海運取引において重要な役割を果たしています。1895年に現在の「国際法協会」へと名称を変更し、1897年には協会を母体として万国海法会が創設されました。

機能

ILAは、国際連合の諮問機関としての地位を持ち、国際的な非営利法人として活動しています。国際連合には多くの専門組織が存在しますが、ILAには現在20の委員会と8つの研究グループがあり、国際私法および国際公法の分析を行っています。各グループの決議は、年に数回、協会のメンバーに報告されます。

会員数は4500人を超え、法律実務家、学術団体の会員、政府職員、裁判官など、法律の専門家だけでなく、商工業・金融の専門家、運送業団体や仲裁機関の代表者、商工会議所の代表者なども参加しています。幅広い分野の専門家が参加することで、多角的な視点から国際法の発展に貢献しています。

協会の歴史的な資料は、ロンドン大学高等法学研究所に保管されており、研究者にとって貴重な情報源となっています。

世界大会

ILAは、2年に1度世界大会を開催しています。この大会では、国際社会に貢献するための国際法協会報告書が発行されます。2018年にはオーストラリアのシドニーで第78回世界大会が開催され、2020年には京都で第79回世界大会が予定されていましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックの影響により延期となりました。

支部

ILAは、世界各地に63の支部を運営しています。支部は地域ごとに設置され、通常、1つの国に1つの支部が置かれています。特定の地域に支部が存在しない場合、その地域の公職にあるメンバーが協会本部のメンバーを兼任します。

日本支部は1920年12月13日に設立されました。現在の代表理事は、外務官僚で国際海洋法裁判所裁判官の柳井俊二氏です。

日本支部の主な会員

（詳細な会員リストは省略）

関連項目

保険監督者国際機構
国際保険協会連盟
普仏戦争
万国海法会
ベッド・P・ナンダ

参考文献

国際法協会日本支部 (2020), 国際法協会日本支部, 東京

外部リンク

International Law Association website
国際法学会日本支部

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