国際生化学・分子生物学連合

国際生化学・分子生物学連合

国際生化学・分子生物学連合（こくさいせいかがくぶんしせいぶつがくれんごう、略称：IUBMB, International Union of Biochemistry and Molecular Biology）は、生化学および分子生物学の学術分野の発展を目的とする国際的な非政府組織です。

この組織は、1955年に当初は「国際生化学連合（International Union of Biochemistry）」として設立されました。その後、分子生物学の発展に伴い、現在の名称へと改称されました。

IUBMBは、世界各国の生化学および分子生物学の学会・委員会が加盟しており、2013年時点では77の加盟委員会によって構成されていました。

主な活動

IUBMBの活動は多岐にわたりますが、その中でも特に重要なものを以下に挙げます。

1. 国際学会の開催:
最も大規模な活動として、3年ごとに「国際生化学分子生物学学会（Congress of Biochemistry and Molecular Biology）」を組織し、開催しています。この学会は、世界中の研究者が最新の研究成果を発表し、議論する重要な機会となっています。これ以外にも、特定のテーマに焦点を当てた定期的な会議やシンポジウムを多数開催し、専門分野の研究者間の交流を促進しています。

2. 教育活動と講演:
若手研究者や学生の育成にも力を入れており、教育プログラムやワークショップを実施しています。また、著名な研究者を招いた講演会などを通じて、専門知識の普及と啓発に努めています。

3. 命名法・標準化の策定:
生化学分野における物質や反応の命名法、特に酵素の分類と命名に関する基準の策定は、IUBMBの重要な役割の一つです。これらの命名法は、学術研究における共通言語を確立し、国際的な情報交換を円滑にするために不可欠です。酵素命名法の一部については、国際純正・応用化学連合（IUPAC）と共同で策定が行われています。EC番号（Enzyme Commission number）などもこの活動に関連しています。

4. 学術出版:
専門的な学術雑誌を複数刊行しています。これらの出版物は、最新の研究論文やレビュー、教育関連の記事などを掲載しており、研究者や教育関係者にとって貴重な情報源となっています。主な刊行誌には、Biochemistry and Molecular Biology Education（旧 Biochemical Education）、BioEssays, BioFactors, Biotechnology and Applied Biochemistry, IUBMB Life, Molecular Aspects of Medicine, そして Trends in Biochemical Sciences などがあります。

組織運営

IUBMBは、選出された役員会によって運営されており、その代表として総裁が置かれています。現在の総裁はGregory A. Petsko氏です。過去には、Angelo Azzi（2007-2012年）、George L. Kenyon（2006年）、Mary Osborn（2003-2006年）、Brian F. C. Clark（2000-2003年）、William J. Whelan（1997-2000年）といった著名な研究者が総裁を務めてきました。また、日本の生化学研究を牽引した八木国夫氏（1993-1997年）や早石修氏（1973-1976年）も総裁経験者に名を連ねており、ハンス・コーンバーグ氏（1991-1994年）も総裁を務めました。

IUBMBは、これらの活動を通じて、世界の生化学・分子生物学の研究および教育の進展に大きく貢献しています。

関連項目

EC番号

外部リンク

IUBMB website〈英語〉
* IUBMB命名法勧告〈英語〉

もう一度検索