国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律

麻薬及び向精神薬取締法等の特例に関する法律

概要

麻薬及び向精神薬取締法等の特例に関する法律（通称：麻薬特例法）は、麻薬や覚醒剤などの不正行為を防止するために、国際的な協力のもとで策定された特別法です。平成3年法律第94号として制定され、麻薬及び向精神薬取締法に基づく特例を設けています。

背景

この法律は、国際連合による麻薬新条約の締結に伴い、国内の法律を整備することを目的としています。薬物犯罪の収益を没収することで、不正行為の主要な要因を排除し、国際約束の確実な実施を促進することが狙いです。

所管官庁とその役割

本法律の実施に関わる主な官庁は以下の通りです。

• - 法務省刑事局: 主に麻薬特例法の運用を担当。
• - 厚生労働省医薬局: 麻薬取締法や大麻取締法などの主務官庁。
• - 出入国在留管理庁: 上陸手続の特例を扱い、法律第3条に基づく実務を担当。
• - 財務省関税局: 税関手続の特例を担い、法律第4条に基づく業務を行います。

特徴

麻薬特例法はその内容において、従来の国内法には見られなかった特徴を持っています。

• - 薬物犯罪収益の没収: 法第11条により、従来にはなかった無体物の没収を可能とし、薬物犯罪による利益を強制的に取り上げることができます。
• - 特例の設置: 法第3条では、上陸手続の特例を定めており、違法薬物を所持した者が国外に入る際の手続きを簡素化しています。また、法第4条では税関手続の特例を設けており、規制薬物が隠されていた場合でも、捜査等の必要に応じて輸出入を許可することができるのです。これにより、税関職員には規制薬物が発見された際に没収を行わず、後続の追跡捜査を行う余地が与えられています。

法律の構成

この法律は、以下のように章分けされています。
1. 総則（第1条・第2条）
2. 上陸の手続の特例等（第3条・第4条）
3. 罰則（第5条 - 第15条）
4. 没収に関する手続等の特例（第16条 - 第18条）
5. 保全手続（第19条・第20条）
6. 国際共助手続等（第21条 - 第23条）
7. 雑則（第24条・第25条）

関連項目

麻薬特例法に関連する法令や組織には、次のようなものがあります。

• - 組織的犯罪処罰法: 組織的な犯罪の処罰や収益の規制について定めています。
• - 麻薬取締部: 麻薬犯罪の取り締まりを担っています。
• - 麻薬取締官・取締員: 実務で麻薬取締に携わる専門職です。

麻薬特例法は、国際的な協力を背景に薬物犯罪を根本から撲滅するための重要な法律として、今後の施策に大きく寄与することが期待されています。

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