国際監査基準

国際監査基準（ISA）について

国際監査基準（International Standards on Auditing, 略称ISA）は、国際会計士連盟（IFAC）の傘下にある国際監査・保証基準審議会（IAASB）によって策定された監査基準です。この基準は、財務諸表の監査における統一された枠組みを提供し、IFACに加盟している会計士団体が遵守すべき指針を示しています。これにより、監査の質と信頼性が確保され、投資家やその他のステークホルダーに対して安心感をもたらします。

現在有効な基準の概要

ISAは、監査プロセスの各段階において遵守すべき具体的なルールと指針を提供しています。以下に、主要な基準をいくつか示します。

1. 一般原則及び責任（200-299）

• - ISA 200: 独立監査人が監査を実施する目的とその枠組みを示す。
• - ISA 210: 監査契約に関する合意事項を定める。
• - ISA 220: 財務諸表監査の品質管理を強調する。
• - ISA 230: 監査調書の作成と維持についてのガイドライン。
• - ISA 240: 財務諸表監査における不正行為に関する監査の実施。

2. リスク評価及びリスクへの対応（300-499）

• - ISA 300: 財務諸表監査の計画を策定するための基準。
• - ISA 315: 事業体の環境理解を通じて重要な虚偽表示のリスクを特定。
• - ISA 330: リスクに対処するための監査手続の実施。

3. 監査証拠（500-599）

• - ISA 500: 監査証拠の収集と評価に関する基準。
• - ISA 505: 外部からの確認を行うための手続き。
• - ISA 540: 公正価値に関する会計上の見積もりの監査。

4. 他者の作業の利用（600-699）

• - ISA 600: グループ財務諸表の監査に必要な特別な考慮事項。
• - ISA 610: 内部監査チームの業務を活用するための指針。

5. 監査の結論及び報告（700-799）

• - ISA 700: 財務諸表に対する意見を形成し、監査報告書を作成。
• - ISA 701: 監査上の重要な事項を報告書に含める必要性。

6. 特殊な分野（800-899）

• - ISA 800: 特別目的の枠組みに準拠した財務諸表の監査。
• - ISA 810: 要約財務諸表に関する報告業務の基準。

まとめ

国際監査基準は、グローバルな会計基準と監査の調和を図るために不可欠なものであり、信頼性の高い財務情報の提供に寄与しています。これらの基準は、監査人の職業倫理を高め、監査プロセスの透明性を確保する手助けをします。経済のグローバル化が進む中で、これらの基準はますます重要な役割を果たしているといえるでしょう。

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