国際競争拠点都市整備事業

国際競争拠点都市整備事業：国際競争力の強化に向けた都市開発事業

国際競争拠点都市整備事業は、都市の国際競争力を強化するため、都市再生特別措置法に基づき指定された都市再生緊急整備地域で行われる事業です。国土交通省が毎年、事業を募集しています。本事業は、大都市圏の国際港湾周辺地域を対象とし、国際競争力の向上に資するインフラ整備や都市環境の改善を目的としています。

事業対象地域

事業対象地域は、以下の条件を満たす地域です。

特定都市再生緊急整備地域: 都市再生特別措置法に基づき政令で定められた地域。大都市圏に位置し、国際港湾周辺地域を核としています。臨港地区、または将来臨港地区となる予定の地域は除かれます。
工業系用途地域: 事業対象地は工業系用途地域に指定されている必要があります。
水際線からの距離: 水際線（臨港地区がある場合は臨港地区境界）から概ね3キロメートル以内の範囲に位置する必要があります。

具体的な事業内容

2018年時点では、札幌、東京、横浜、名古屋、大阪、福岡の主要都市圏において、国際競争拠点都市整備事業が展開されていました。以下に、その一部の具体的な事業例を紹介します。これらの事業は、交通インフラの整備、都市空間の再開発、公共施設の整備など多岐にわたります。

1. 札幌都心地域:
苗穂駅周辺地区の整備、まちづくり事業
西2丁目線地下歩道の整備
札幌駅前通公共地下歩道の整備、地下鉄さっぽろ駅東豊線連絡通路の改修

これらの事業は、鉄道駅周辺の利便性向上と、都市空間の再編を目的としています。

2. 東京都心・臨海地域:
環状第二号線（新橋・虎ノ門地区、汐留、晴海）の再開発事業
虎ノ門ヒルズの建設を含む再開発事業
地下鉄日比谷線新駅の整備
八重洲バスターミナルの整備
東京駅丸の内駅前広場の整備

これらの事業は、交通結節点の機能強化、新たなビジネス拠点の創出、都心部の魅力向上を目的としています。

3. 品川駅・田町駅周辺地域:
品川駅北周辺地区の土地区画整理事業（高輪ゲートウェイ駅事業を含む）

品川駅周辺の再開発は、国際的なビジネス拠点形成を目的としています。

4. 渋谷駅周辺地域:
渋谷駅街区の土地区画整理事業
渋谷駅周辺の自由通路整備事業
道玄坂一丁目駅前地区の再開発事業（東急プラザ渋谷を含む）
渋谷駅桜丘口地区の再開発事業

渋谷駅周辺の再開発は、交通利便性の向上と、商業施設の充実を目的としています。

5. 羽田空港南・川崎殿町・大師河原地域:
主要道路の整備
羽田空港跡地の土地区画整理事業

羽田空港周辺の開発は、国際空港機能の強化と、新たな産業集積を目的としています。

6. 横浜都心・臨海地域:
東横線跡地の整備事業
横浜駅西口地下街の回遊空間形成事業
臨港幹線キング軸デッキの整備

横浜駅周辺の再開発は、交通利便性の向上と、都市空間の活性化を目的としています。

7. 名古屋駅周辺・伏見・栄地域:
ささしまライブ24の土地区画整理事業
名古屋駅周辺の地下公共空間の整備
主要道路の整備

名古屋駅周辺の再開発は、交通結節点の機能強化と、新たなビジネス拠点の創出を目的としています。

8. 大阪駅周辺・中之島・御堂筋周辺地域:
JR東海道線支線の地下化事業、新駅設置事業（北梅田駅）
大阪駅北大深西地区の土地区画整理事業

大阪駅周辺の再開発は、交通利便性の向上と、都市空間の活性化を目的としています。

9. 福岡都心地域:
拠点間回遊案内の強化事業
明治公園自転車駐車場の整備
* 天神周辺の地下通路、駐輪場の整備事業

Fukuokaの事業は、都市空間の利便性向上と、自転車利用の促進を目的としています。

これらの事業を通して、日本の主要都市は国際競争力を強化し、持続可能な都市発展を目指しています。

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