国際造園家連盟

国際造園家連盟（IFLA）

国際造園家連盟（International Federation of Landscape Architects、略称：IFLA）は、世界各国の造園家やランドスケープアーキテクトが集まる国際的な組織です。国際連合の専門機関であるユネスコ（UNESCO、国際連合教育科学文化機関）から正式に認定を受けている唯一の世界規模の専門家団体であり、NGO（非政府組織）としての地位を持っています。

この団体は、世界の約50カ国が加盟しており、各国を代表する団体会員と個人会員によって構成されています。組織は、中央、西、東の三つの地域ブロックに分けられています。IFLAは、造園家としての専門的な知見を国際的な視野から発揮し、地球環境の保全をはじめとする様々な課題に対して積極的な活動を展開しています。

日本語における名称については、「国際造園家連盟」が一般的な呼称として用いられる一方、高野文彰氏のように「国際ランドスケープアーキテクト連盟日本」と表記する例も見られます。過去には「国際造園会議」や「国際造園修景家協会」など、いくつかの異なる訳や呼称が存在しました。

本部所在地

IFLAの本部はベルギーのブリュッセルに置かれています。
住所：Avenue Louise 149/24, 12th floor, B-1050 Brussels, Belgium
連絡先：電話 +32 498 464 769, Eメール [email protected]

日本におけるIFLA窓口

日本におけるIFLAの窓口組織は、時代の変遷とともに変化してきました。

1954年から1994年まで: 日本造園学会（JILA）がIFLAの日本窓口としての役割を担っていました。
1995年から2013年まで: 日本造園学会がIFLAから脱退した後、有志72名によって任意団体IFLA Japanが結成され、日本の窓口業務を引き継ぎました（当初はJAPNーIFLAという名称でした）。
2016年以降: IFLA－JAPANは、一般社団法人日本ランドスケープアーキテクト連盟（JAPAN LANDSCAPE ARCHITECT UNION、略称：JLAU）と統合し、JLAUがIFLA本部によって正式な日本窓口組織として承認されました。

現在の日本窓口であるJLAUは、日本の造園家を中心に、国際的な情報交換や人的交流を通じて地球環境の保全に貢献すること、またランドスケープに関連する多様な活動への参加や支援を行うことを主な目的としています。

沿革

IFLAの設立とその後の歩みは以下の通りです。

1935年: ベルギーのブリュッセルで、ヨーロッパ各国の造園家が集まり、国際組織設立に向けた初めての会合が開催されました。
1937年・1938年: パリ、ベルリンで引き続き会合が持たれました。
1948年: イギリスのケンブリッジにて正式に発足。当初15カ国が参加し、第1回大会が開催されました（当初は大会が隔年、理事会が毎年開催されていました）。
1949年: パリでの理事会で組織の憲章草案が立案されました。
1952年: スペインのマドリードで開催された第2回大会で憲章が正式に制定されました。同年のスウェーデン、ストックホルムでの第3回大会では日本に参加が要請され、加藤誠平氏が代表に選ばれましたが、当時の外貨事情により参加は見送られ、メッセージのみが送られました。
1954年: オーストリアのウィーンで開催された第4回大会で、日本造園学会が16番目の加盟国として承認されました（日本代表は佐藤昌氏）。同年、日本造園学会の総会で、1964年のIFLA大会を日本に招致することが決議されました。
1960年: オランダのアムステルダムで開催された第7回大会で、1964年の大会を東京で開催することが正式に決定されました。
1964年: 第9回IFLA大会が東京と京都で開催されました。20カ国の個人会員と7カ国の団体会員が参加し、総参加者数は475名に及びました（大会会長は佐藤昌氏）。
1965年: ポルトガルのリスボン大会で、IFLAはユネスコにカテゴリーAのメンバーとして加盟しました。
1975年: アメリカ合衆国のサンアントニオでの理事会で特別会員に関する内規が決定され、会員募集が始まりました。また、特別委員会の第1回総会が開催されました。
1977年: フィリピンのマニラで大会が開催され、東地区の加盟国が5カ国となりました。
1979年: 第17回大会において、IFLAの本部をパリに常設することが決定されました。
1985年: 第23回IFLA大会が再び日本で開催されました（大会会長は北村文雄氏、日本代表は近藤公夫氏）。参加者総数は482名でした。この頃、日本造園学会（JILA、後にCLA）が社団法人化されました。
1990年: 国際花と緑の博覧会（花の万博）に出展しました。
1992年: 韓国の慶州で開催された第29回大会の直前に、アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリア、カナダの4カ国がIFLAを脱退するという出来事がありました。
1994年: 日本造園学会が12月末をもってIFLAから脱退しました。脱退した4カ国はLandscape Alliance (ILA) を結成しました。
1995年: IFLA-JAPANが小林冶人氏を会長として結成され、会員72名でIFLAに加盟承認されました。
2000年: アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリア、カナダがIFLAに再加入することが承認されました。ILAは淡路島で会合を開き、解散を決議しました。また、第10回IFLA東地区大会が淡路島で開催され、総参加者は250名でした。
2012年: 一般社団法人日本ランドスケープアーキテクト連盟（JLAU）が設立されました。
* 2016年: IFLA－JAPANはJLAUと統合し、現在に至る活動を展開しています。

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