国際連合リベリア・ミッション

国際連合リベリア・ミッション（UNMIL）とは

国際連合リベリア・ミッション（United Nations Mission in Liberia, UNMIL）は、リベリアにおける平和維持活動のために、2003年9月19日の国際連合安全保障理事会決議1509に基づき設立された国際連合平和維持活動です。第二次リベリア内戦（リベリア内戦）後の和平プロセスを推進することを主な任務としていました。

設立の背景

第一次リベリア内戦後、西アフリカ諸国経済共同体平和維持軍（ECOMOG）と国際連合リベリア監視団（UNOMIL）の支援を受け、1997年にチャールズ・テーラーが大統領に就任しました。しかし、情勢は不安定なままであり、1999年から再び内戦状態に陥りました。政府軍とリベリア民主和解連合（LURD）やリベリア民主運動（MODEL）などの反政府勢力が対立し、2003年には首都モンロビアも騒乱状態となりました。

2003年7月下旬から、西アフリカ諸国経済共同体による平和維持軍（ECOMIL）やアメリカ軍を含む多国籍軍が平和維持活動を開始しました。治安が回復に向かう中、チャールズ・テーラー大統領は8月11日に辞任し、ナイジェリアへ亡命しました。これにより、政府と反政府勢力の間で和平合意が結ばれ、停戦に至りました。

UNMILの活動

2003年9月19日、安保理決議1509が採択され、国際連合リベリア・ミッション（UNMIL）が正式に設立されました。UNMILは、リベリアにおける和平達成のために、停戦合意の検証、武装勢力の武装解除と社会復帰支援、人権擁護の推進、治安状況の回復支援、そして和平合意の推進支援など、多岐にわたる活動を行いました。

設立当初のUNMILは、多国籍軍の一部を引き継ぎ、軍事要員15,000名（うち軍事監視要員250名）、文民警察官1,115名などの規模でした。その後、状況の安定化に伴い兵員数は削減されました。

また、チャールズ・テーラーに対する虐殺などの容疑が浮上し、2005年にはその拘束や裁判支援もUNMILの任務に追加されました。テーラーは2006年3月にナイジェリア政府によって拘束され、フリータウンの国際戦犯法廷へ引き渡された後、ハーグの国際刑事裁判所へ移送されました。2012年4月には、国際連合が設置した法廷で、国家元首経験者としては史上初となる有罪判決を受けました。

その後

リベリアでは2005年に選挙が実施され、エレン・ジョンソン・サーリーフが大統領に就任するなど、社会情勢は安定化に向かいましたが、経済は依然として困窮し、国民和解も道半ばの状態でした。政府の治安維持能力も低いままであり、UNMILの撤退は当面見送られました。UNMILは2011年の選挙を一つの節目と判断していましたが、最終的に2018年3月30日にUNMILは活動を終了しました。

UNMILはリベリアの平和と安定に大きく貢献しましたが、リベリアは依然として多くの課題を抱えています。今後の持続的な発展には、国際社会の継続的な支援が不可欠です。

脚注

UNMIL
United Nations Mission in Liberia
Eighteenth progress report of the Secretary-General on the United Nations Mission in Liberia
日本外務省資料

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