国際連合人間居住計画

国際連合人間居住計画（UN-Habitat）

国際連合人間居住計画、通称国連ハビタットは、持続可能な都市と居住環境の発展を目指す国際機関です。1978年に設立され、本部はケニアのナイロビに位置しています。この機関の目的は、地域社会の生活環境を向上させることで、全ての人々が安全で住みやすい環境で暮らせるようにすることです。

設立の背景と経緯

国連ハビタットの起源は、1976年にカナダのバンクーバーで開催された第1回国際連合人間居住会議にさかのぼります。この会議では「人間居住宣言」が採択され、人間居住の重要性が世界的に認識されました。その後、会議の成果を受けて設立された「人間居住委員会」と「国際連合人間居住センター」が、国連ハビタットの前身となります。

1996年には、イスタンブールで開かれた第2回会議で「ハビタット・アジェンダ」が採択されました。このアジェンダでは、人間居住環境は開発の重要な課題とされ、国連人間居住センターの機能強化が求められました。この出来事を受け、2002年には「国際連合人間居住計画」という名称に改組され、国連ハビタットとしての活動が本格化しました。

組織構成

国連ハビタットの本部はナイロビにあります。この機関の事務局長はマイムナー・モハメド・シャリフが務めています。意思決定のための管理理事会には58ヶ国が参加しており、その中に日本も含まれています。

さらに、国連ハビタットは世界各地に地域本部を設置しており、アジア太平洋地域の本部は1997年に福岡市に設立されました。福岡に置かれたこの地域本部は、アジア太平洋地域における持続可能な開発に対応する重要な役割を果たしています。国連ハビタット福岡本部は、2017年に創立20周年を迎えました。地域本部に関しては以下の4つがあります。

• - アフリカ地域本部: ナイロビ（ケニア）
• - ラテンアメリカ及びカリブ海地域本部: リオ・デ・ジャネイロ（ブラジル）
• - アジア太平洋地域本部: 福岡（日本）
• - アラブ諸国地域本部: カイロ（エジプト）

主要な取り組み

国連ハビタットは、持続可能な都市の発展、スラムの改善、居住の権利の推進など、多岐にわたる取り組みを行っています。特に、世界中で急増する都市人口のニーズに応えられるよう、政策提言や技術支援を通じて、各国の都市計画を支援しています。

まとめ

国際連合人間居住計画は、持続可能な居住環境の確保のために世界的な課題に取り組む重要な機関です。地域社会における人々の権利を尊重し、全ての人に住まいを提供することを目指して、今後もますます重要な役割を果たしていくことでしょう。

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