国際連合安全保障理事会決議169

国際連合安全保障理事会決議169（UNSCR 169）の概要

国際連合安全保障理事会決議169は、1961年11月24日に行われた会合で採択されました。この決議は、コンゴ共和国における過去の動乱に関連する国連の立場を再確認するもので、特にコンゴ中央政府の権威に反するすべての武力行為を強く非難しました。特に、カタンガ国当局の分離独立活動に対して明確な拒否を示し、国連の平和維持活動への暴力行為について深い懸念を表明しています。

決議の主な内容

この決議では、以下のポイントが掲げられています。

1. 過去の決議の再確認: 国連安保理決議143、145、146、161号など、関連する主要な決議を再確認し、今後の方針に影響を与える要素として位置付けています。
2. コンゴの領土保全と政治的独立の維持: コンゴ共和国の領土と国家としての独立を守ることが強調されています。
3. 法と秩序の支援: コンゴ中央政府の法と秩序の回復に対する支援が明記され、国内の安定を図るための役割を果たします。
4. 他国武装勢力の撤退: コンゴの領域からの外国の武装勢力の撤退を求め、国内の摩擦を軽減することを目指します。
5. 技術的支援の提供: コンゴにおける技術的支援が行われる旨も記載されています。
6. 武力行為の非難: 軍事的な秘密活動や傭兵を用いた武力行為、特にカタンガにおける分離主義の圧力に対しては特に厳しく反対しています。
7. 国連事務総長への権限授与: ウ・タント事務総長に対し、必要に応じて他国の兵士や準軍事組織を逮捕・拘禁し、国外に追放する権限を与えました。
8. 全ての加盟国への要請: すべての国連加盟国に対して、紛争に寄与する活動を避けるように求め、協力することの重要性を強調しました。

議決の経過

この決議は、賛成9票、棄権2票（フランス、イギリス）で採択されました。この結果は、コンゴ共和国の人々とその政府に対する国際社会の支援と、地域の安定に向けた意思を示す重要な一歩となりました。

結論

国際連合安全保障理事会決議169は、コンゴの問題に対する国際的な関心の深化を象徴しています。この決議を基に、国際連合が果たすべき役割とその取るべき行動がより具体的に定義され、長期的な安定への道筋を築くための出発点となりました。コンゴの和平と復興に向けた努力が、国際的な協力のもとで進むことが期待されます。

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