国際連合安全保障理事会決議221

国際連合安全保障理事会決議221について

1966年4月9日に国際連合安全保障理事会（UNSC）にて採択された決議221は、特に南ローデシアにおける石油供給の問題に対する国際的な懸念を示す重要な文書です。この決議は、当時の国際的な政治状況や地域の紛争に対して、国連が介入する姿勢を示しています。

背景

南ローデシア、現在のジンバブエは、その独立を求める運動や植民地支配に対する抗議の中で、国際的な注目を集めていました。この時期、南ローデシア政府は、国際社会からの制裁にもかかわらず、石油などの重要な資源を確保するために、隣国ポルトガルを利用していました。決議221では、特に「石油禁輸」に向けた過去の国連の取り組みを再評価し、現状を打破するための具体的な行動を求めています。

懸念の表明

安保理は、定期的に南ローデシアに関連する報告を受けており、特に石油タンカー「Joanna V」がベイラに到着することで、南ローデシアが新たに石油供給を受ける可能性が高まっていると懸念を表明しました。この事態を受けて、国連安保理は、南ローデシアへの石油供給を断つための強力な措置を講じる必要があると考えました。

ポルトガルへの要求

決議では、ポルトガル政府に対して、「Companhia do Pipeline Moçambique Rodésias Pipeline」を通じて、南ローデシアに石油を供給しないよう求めています。この要求は、国際的な圧力と制裁が南ローデシアの動きを抑制するための鍵であると認識されていました。また、すべての国連加盟国に対して、南ローデシアへ向かう石油を積載していると合理的に考えられる船舶があれば、その方向転換を確実に行うよう求められました。

イギリスへの具体的要求

特に注目すべきは、イギリス政府への要求です。国連は、イギリスの船舶が南ローデシアに向かう際には、必要があれば軍事力を用いてでも、その航行を阻止するように求めました。これは、南ローデシアの石油供給を断絶させるための措置として、国際社会が一丸となって行動する姿勢を示しています。

採決結果

決議221は、賛成10票、反対0票、棄権5票（ブルガリア、フランス、マリ、ソビエト連邦、ウルグアイ）で可決されました。この結果からも、南ローデシア問題に対する国際的な懸念の共有が見て取れます。

まとめ

国際連合安全保障理事会決議221は、南ローデシアにおける石油供給の問題に対し、国際社会が一致して行動を求めた例の一つです。この決議は、国際的な制裁や監視が如何に重要であるかを改めて示すものであり、地域の安定に向けた重要な一歩として捉えられています。今日でも、国連の決議に基づいた国際的な協力が求められる場面は多く、決議221はその一例となっています。

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