国際連合安全保障理事会決議83

国際連合安全保障理事会決議83について

国際連合安全保障理事会決議83は、1950年6月27日に国際連合安全保障理事会で承認された重要な決議です。この決議は、朝鮮半島における朝鮮戦争の開始に関連し、北朝鮮の軍隊による韓国への侵攻を平和に対する重大な違反として認識し、急を要する対応を求めるものでした。

背景

1950年6月25日、北朝鮮が南側の大韓民国に対して軍事行動を開始しました。この攻撃により、多くの人々が家を失い、国際的な安全保障が脅かされる事態となりました。この状況を受けて、国際連合は即座に対応策を講じなければならないと判断しました。特に、国際連合安全保障理事会は、平和を維持するための緊急の措置を必要としていました。

決議の内容

決議83の中では、国際連合が北朝鮮に対し、敵対行為の即時停止を求め、さらに軍隊を38度線まで撤退させることを強く要求しました。また、この決議では、北朝鮮がすでに採択されていた国際連合安全保障理事会決議82に従っていないことを指摘し、国際的な平和と安全を回復するためには軍事的な介入が避けられないとの認識が示されました。そのため、国際連合の加盟国に対して、大韓民国に必要な支援を提供するよう勧告しました。

投票結果と反対意見

この決議は、賛成7票、反対1票で採択されました。反対を表明したのはユーゴスラビアでした。また、エジプトとインドは会議には出席したものの、投票には加わらなかったため、決議の採択に直接関与しませんでした。加えて、ソビエト連邦は、当時の国連における中国の地位に関する問題から全ての会議をボイコットしていたため、この重要な会合にも参加せず、拒否権を行使することがありませんでした。

影響と意義

この決議は、朝鮮戦争における国際連合の役割を明確にしたものであり、冷戦時代の国際関係における重要な一歩となりました。国際連合が加盟国に対して具体的な軍事的介入を促した初の事例とされ、和平を確保するための国際的な協力を呼びかける基盤を築いたのです。

なお、決議83は朝鮮戦争の進展や国際連合の介入における一つの転機として、現在でも歴史的な意味を持つ文書とされています。

参考資料

本決議に関連する詳細は、国際連合の公式文書ウェブサイトや、歴史的な背景を扱った文献を参照することで、さらに深く理解することができます。

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