国際連合安全保障理事会決議91

国際連合安全保障理事会決議91について

国際連合安全保障理事会決議91（UNSCR 91）は、1951年3月30日に採択された重要な国際文書であり、インドとパキスタンの間の緊張を解決するために発表されました。この決議は、特にジャンムー・カシミール州における住民投票を実施するための準備に焦点を当てています。

背景

ジャンムー・カシミール州は、インドとパキスタンの間で領有権を巡る争いが続いている地域であり、その結果、住民投票の実施が求められていました。国際連合の代表であるオーウェン・ディクソン卿は、住民の意思を反映するために必要なプロセスを明らかにするため、特別な報告書を提出しました。この報告書には、非軍事化の手順とその範囲、そして国民投票が自由かつ公正に行われるために必要な政府の機能に対する制限の度合いについて議論が含まれていました。

議論と決議の内容

安全保障理事会は、ディクソン卿の報告書に基づいて、住民投票の実施に向けた様々な調整を行う必要があることを認めました。そのため、両国に対して非武装化に向けた協力を呼びかけ、ディクソン卿の辞任を受け入れる際には、その献身と能力に感謝の意を表しました。新たに任命される国連代表には、インドとパキスタン間の今後の協議を通じて非武装化を進めることが求められました。

決議では、国連代表が3カ月以内に報告を行うこと、またもしだめだった場合には未解決の問題を報告することが求められました。さらには、国際司法裁判所の議長が任命する仲裁人による仲裁を受け入れるよう、両国に対し自治を呼び掛けました。これにより、未解決の問題に対する解決への幅広いアプローチが示されました。

さらに、決議では、軍事監視団が引き続きジャンムー・カシミール州の停戦を監視することが決定されました。これは、地域の安定性を保ちつつ、将来的な国民投票の環境を整えるために重要な一歩となるでしょう。

採決結果

決議91は、インド、ソビエト連邦、ユーゴスラビアから棄権票が出され、賛成票は8票と多くの支持を受けて採択されました。この採決は、国際社会がジャンムー・カシミールにおける平和的解決を求める意思を表していると考えられます。

まとめ

国際連合安全保障理事会決議91は、ジャンムー・カシミール州における住民の意思を反映させるための住民投票実施に向けた道筋を示すものです。この決議を通じて、非武装化や国際的な仲裁の実施が求められ、地域の平和と安定をもたらすことが期待されています。

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