国際連合文民警察サポート・グループ

国際連合文民警察サポート・グループ（UNPSG）

国際連合文民警察サポート・グループ（United Nations Police Support Group, UNPSG）は、クロアチアに展開された国際連合平和維持活動の一つです。1997年12月19日の国際連合安全保障理事会決議1145に基づき設立され、国際連合東スラヴォニア・バラニャおよび西スレム暫定統治機構(UNTAES)の活動終了後、その役割を引き継ぎました。

背景

クロアチアは独立運動に伴い、国内のセルビア人が少数民族となり、これに対抗して1991年にクライナ・セルビア人共和国が設立されました。紛争により、クロアチア最東部の東スラヴォニアもセルビア人支配地域となりました。1995年のクロアチア軍による軍事作戦の結果、西スラヴォニアやクロアチア中部のセルビア人支配地域はクロアチアの支配下へと移りましたが、セルビアと国境を接する東スラヴォニアはセルビア人勢力の支配下に残されました。

同時期、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に関連してNATO軍がセルビアへの攻撃を実施。その結果、1995年11月12日にセルビア人勢力は東スラヴォニアのクロアチアへの移管に合意しました。1996年からは国際連合東スラヴォニア・バラニャおよび西スレム暫定統治機構(UNTAES)が東スラヴォニアを統治し、非武装化、難民帰還支援、限定的な警察組織の設立などを実施しました。

UNPSGの設立と活動

UNTAESの活動期限満了に伴い、東スラヴォニアにおける平和維持活動を継続するため、1997年12月19日の安保理決議1145に基づきUNPSGが設立されました。活動開始は1998年1月16日で、9ヶ月の活動期限が設定されました。

UNPSGの主な目的は、難民帰還と人権尊重に関するクロアチア警察の行動を監視することでした。その規模は文民警察官180名で構成されました。活動地域におけるクロアチア警察の民族構成の偏り、難民帰還の遅延、民族対立に起因する事件の発生など、不安定な要素も存在しましたが、全般的な治安状況は良好に維持されました。

活動の終了とその後

UNPSGは1998年10月15日に活動を終了し、その任務は直ちに[欧州安全保障協力機構]に引き継がれました。

外部リンク

UNITED NATIONS CIVILIAN POLICE SUPPORT GROUP

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