国際連合東ティモール・ミッション

国際連合東ティモール・ミッション（UNAMET）

国際連合東ティモール・ミッション、通称UNAMETは、東ティモールにおける国際連合の平和維持活動の一環であり、1999年に設立されました。これは、東ティモールの自治拡大に関連する住民投票を支持することを主な目的としています。このミッションの設立は、1999年6月11日に採択された国際連合安全保障理事会の決議1246に基づいています。

東ティモールの背景

東ティモールは歴史的にポルトガルの植民地でしたが、1975年にインドネシアが侵攻し、その後長期間にわたりインドネシアの支配下に置かれました。この間、地元住民は独立を求める運動を展開しましたが、インドネシア政府は厳しい弾圧を行いました。1996年、ジョゼ・ラモス＝ホルタがノーベル平和賞を受賞するなど、国際社会の注目を集める中、1998年にはインドネシア内での民主化の動きにより、問題が前進することとなりました。

1999年5月5日、インドネシアとポルトガルは、東ティモールの自治拡大に向けた住民投票を実施することで合意。これを受けてUNAMETが設立され、地元の住民投票を支援する取り組みが本格化しました。

ミッションの実施内容

UNAMETは、文民スタッフ242名、文民警官271名、軍事連絡要員50名、国連ボランティア425名、さらにはその他のローカルスタッフからなる大規模なチームで構成されていました。このチームは、住民投票の有権者登録、投票所の設置、さらには開票所の運営を担いました。住民投票の日程は1999年8月30日に設定されましたが、治安の面での懸念が高まり、インドネシア側の治安維持活動が不足している状況が続きました。

投票は200か所以上で実施され、投票率は驚異的な98.6%に達しました。結果は自治拡大を支持する94,388票（21.5%）に対して、拒否する344,580票（78.5%）というもので、ほぼ圧倒的な独立支持の結果となりました。

その後の展開

この結果を受けて、インドネシア統合派の民兵が活動を活発化させ、東ティモールの治安は急速に悪化しました。これに対してUNAMETの要員は、首都ディリから避難を余儀なくされ、最終的にはオーストラリアのダーウィンにまで撤退しました。こうした状況を受けて、国際連合安全保障理事会は、1999年9月15日にオーストラリア主導の多国籍軍を派遣することを決定し、9月20日からその活動を開始しました。

平和維持軍の展開に伴い、治安が回復し、UNAMETは再び東ティモールに戻ることができました。1999年10月25日には、安保理決議1272に基づき、東ティモール独立に向けた国際連合東ティモール暫定行政機構（UNTAET）が設立される運びとなりました。

関連情報

UNAMETの活動は、国連による東ティモールへの介入の初期段階に過ぎず、その後もさまざまな国際的な関与が続きました。これにより、東ティモールは最終的に独立を果たし、現在の道を歩むことになりました。

もう一度検索