国際酪農品協定

国際酪農品協定について

国際酪農品協定（International Dairy Agreement）は、1994年4月15日に作成され、1995年1月1日に効力を発し、1997年12月31日に終了した国際的な協定です。この協定は、国際的な酪農品の貿易を促進し、協力を強化することを目的としていました。

協定の背景と目的

国際酪農品協定は、世界貿易機関（WTO）を設立するためのマラケシュ協定に含まれている附属書の一つであり、複数国間貿易協定に分類されます。このため、全てのWTO加盟国が自動的に拘束されるのではなく、特定の国だけがそれぞれの取決めを締結することになります。協定の基本的な理念は、酪農分野での国際的な協力の改善が、世界貿易の拡大と自由化に貢献するというものでした。

協定は、酪農品の需給や価格、貿易に関する情報の共有、市況の分析、輸出国による最低価格の維持、さらに食糧援助に関連する規定を含んでいました。国際酪農品理事会を設置し、協定の運営を効率よく行う体制も構築されました。また、この協定は1980年に設立された「国際酪農品取極」の後継となるものでした。

継続と終了

国際酪農品協定は、第8条3において有効期間が3年間と定められ、特に何も決定されなければ3年ごとに自動的に延長される仕組みでした。しかし、1997年9月30日に国際酪農品理事会は、協定の延長を行わない決定を下し、協定は1997年12月31日に失効することとなりました。この決定には、協定の重要性が次第に薄れていったことが大きな理由とされています。特に、アメリカや他の主要な乳製品輸出国が国際酪農品取極から離脱し、当協定に参加しなかったことが影響しました。また、UR合意以降、国際市場でも価格が安定していたことから、最低輸出価格の設定が次第に意味を持たなくなりました。

さらに、過去2年間は乳製品に関する基本的な情報交換や年報の発行が行われていましたが、これらの活動についてはFAOなど他の国際機関でも既に行われているため、その価値が再評価される必要があったとの指摘もありました。

加盟国

国際酪農品協定には、以下の国々が加盟しました：

• - アルゼンチン
• - ブラジル
• - ブルガリア（1995年11月14日）
• - チャド（1996年9月19日）
• - 欧州連合
• - フィンランド
• - ハンガリー
• - 日本（1995年1月27日）
• - ニュージーランド
• - ノルウェー
• - ルーマニア
• - スウェーデン
• - スイス
• - ウルグアイ

日本を含む全ての国は1995年1月1日に発効となりました。

前身の協定

国際酪農品協定は、1979年に作成された国際酪農品取極（International Dairy Arrangement）の後継であり、これは東京ラウンド交渉の一部として1979年4月12日に創設され、1980年1月1日から機能しました。国際酪農品協定が発効することにより、国際酪農品取極は廃止されることとなりました。

国際酪農品取極の加盟国には、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ブルガリア、エジプト、フィンランド、ハンガリー、日本、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、南アフリカ、スウェーデン、スイス、アメリカ合衆国、ウルグアイ、そしてヨーロッパ経済共同体が含まれていました。

結論

国際酪農品協定は、酪農ペースでの協力を強化し、貿易の自由化を促進するために設計された重要な国際的枠組みでしたが、世界の貿易環境や参加国の政策の変化により、その役割は次第に縮小していきました。

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