国際鉱物学連合

国際鉱物学連合（IMA）の概要

国際鉱物学連合（IMA、International Mineralogical Association）は、世界38カ国以上の鉱物学関連団体から構成される国際的な学術組織です。その主要な目的は、鉱物学の進歩と発展に寄与すること、そして約5000種にも及ぶ鉱物に対して統一的な命名体系を確立することです。

IMAは、国際地質科学連合（IUGS）など、関連する国際組織と連携し、鉱物学研究のグローバルなネットワーク形成を促進しています。研究者や専門家間の国際協力体制を強化することで、鉱物学研究の更なる発展を目指しています。

IMAの活動の中核：新鉱物・鉱物名委員会

IMAの中核を担う組織として、新鉱物・鉱物名委員会（CNMMN、Commission on New Minerals, Nomenclature and Classification）が挙げられます。1959年に設立されたCNMMNは、世界各地で発見される新しい鉱物の命名に関する決定権を持ち、鉱物学における標準化に大きな役割を果たしています。

具体的には、新しく発見された鉱物の名称を審査・承認し、正式な鉱物名として登録します。既存の鉱物名についても、最新の科学的知見に基づいて見直しを行い、必要に応じて改称を行います。また、新規発見された鉱物の鑑定や分類も行い、鉱物学の体系的理解を深める活動を行っています。

日本の鉱物学者もCNMMNの委員として貢献しており、国際的な鉱物学研究に貢献しています。例えば、加藤昭氏は1975年から1982年まで委員長を務め、IMAにおける日本の存在感を高めました。

IMAを構成する主要団体

IMAには世界各国を代表する鉱物学関連団体が加盟しています。その中には、以下のような著名な団体が含まれます。

オーストリア鉱物学会 (Österreichische Mineralogische Gesellschaft)
ブラジル地質学会 (Sociedade Brasileira de Geologia)
カナダ鉱物協会 (Mineralogical Association of Canada)
フランス鉱物・結晶学会 (Société Française de Minéralogie et de Cristallographie)
ドイツ鉱物学会 (Deutsche Mineralogische Gesellschaft)
イタリア鉱物・岩石学会 (Società Italiana di Mineralogia e Petrologia)
日本鉱物学会 (Mineralogical Society of Japan)
ロシア鉱物学会 (Mineralogical Society of Russia)
南アフリカ鉱物協会 (Mineralogical Association of South Africa)
スウェーデン鉱物学会 (The Swedish Mineralogical Society)
スイス鉱物・岩石学会 (Swiss Society of Mineralogy and Petrology)
イギリス鉱物学会 (Mineralogical Society of Great Britain and Ireland)
アメリカ鉱物学会 (Mineralogical Society of America)
ウクライナ鉱物学協会 (Ukrainian mineralogical association)

これらの団体は、それぞれ自国の鉱物学研究を代表し、IMAを通じて国際的な連携を深めています。

日本のIMAとの関わり

日本においては、日本鉱物学会がIMAに加盟しています。また、2006年から2010年にかけて、IMAの総会が大阪大学に開催されました。山中高光氏が会長を務めたこの総会は、日本の鉱物学研究の国際的な地位向上に大きく貢献したと言えるでしょう。

IMAは、今後も世界中の鉱物学者や研究者にとって重要な国際組織であり続け、鉱物学の発展に貢献していくことが期待されます。

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