國分八幡宮 (高松市)

國分八幡宮：歴史と自然が織りなす聖地

香川県高松市国分寺町に位置する國分八幡宮は、長い歴史と豊かな自然に抱かれた神社です。その起源は、天平勝宝年間（749～757年）に国分寺の鎮護と、周辺地域である阿野七郷の産土神として創祀されたことに遡ります。国分寺の東北、表鬼門にあたる地に鎮座するその立地は、古来より聖地として認識されていたことを示唆しています。

創祀以来、國分八幡宮は幾多の変遷を経験しました。弘法大師空海が讃岐を巡錫した際、国分寺と共に当宮を修復したとの記録があり、その後の国分寺の歴世による崇敬、そして讃岐国司からの厚い崇敬により、社殿は壮麗を極めたと伝えられています。

しかし、天正年間（1573～1592年）の戦火によって社殿は焼失。その後、慶長2年（1597年）に国主生駒氏によって再興されました。寛永2年（1625年）の地震による本殿の損壊も乗り越え、復興を果たしました。

大きな転換期が訪れたのは、万治年間（1658～1661年）です。この頃、社殿が炎上したため、現在の境内地の西隣に位置する宮池（標高49m）から、標高176.3mを誇る大禿山の中腹、岩川山という霊地に遷座されました。この地では古くから祭祀が行われていたとされ、新たな社殿が造営されました。この時、岩川八幡神社、あるいは国府八幡と呼ばれるようになりました。

昭和時代に入り、現在の「國分八幡宮」という名称に改称されました。明治時代には村社に列せられ、明治40年（1907年）10月24日には新撰幣帛料供進神社に指定、昭和10年（1935年）10月5日には郷社に昇格するなど、その格式を高めていきました。

現在では、ユニークなデザインの御朱印が人気を集めており、郵送での授与にも対応しています。

祭神と境内

國分八幡宮に祀られる祭神は、誉田別天皇、足仲彦尊、息長足姫尊、神日本磐余彦火々出見尊、そして白蛇大神です。

境内には、一の鳥居、二の鳥居（岩川八幡神社の扁額）、末社祠（祓戸神社・瀬織津比売神など）、隋神門、本殿拝殿、磐座、神明鳥居など、歴史を感じさせる建造物が数多く残されています。境内から大禿山頂上への登山道も整備されており、山頂には石の祠（水分大神・大物主神）が祀られています。山頂までは本殿裏から約20分の登山道ですが、地肌道で滑りやすい箇所もあるため、登山靴を着用し、雨天時の登山は避けることが推奨されます。

アクセス

國分八幡宮へのアクセスは、最寄りの讃岐国分寺から自動車で約5分です。無料駐車場も完備されています。

國分八幡宮：歴史と信仰のシンボル

國分八幡宮は、単なる神社という枠を超え、歴史、信仰、そして自然が融合した、訪れる人々を魅了する聖地です。その歴史と霊験あらたかな雰囲気は、多くの参拝者にとって忘れ難い体験となるでしょう。

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