國松豊

國松豊は、1880年11月10日に愛媛県で生まれ、1964年12月31日に生涯を閉じました。彼は、日本の経営学の発展に大きく貢献した人物であり、教育者としても多くの人材を育成しました。

1905年に東京高等商業学校（現在の一橋大学）を卒業後、小樽高等商業学校（現在の小樽商科大学）で教鞭を執り始めました。その後、1913年から3年間、イギリスとアメリカ合衆国へ留学し、経営学の研究に励みました。帰国後は、小樽高等商業学校で図書館主幹を務め、1921年には名古屋高等商業学校（現在の名古屋大学）の教授に就任しました。

1935年、國松は名古屋高等商業学校の校長に就任し、教育機関のリーダーとしての手腕を発揮しました。1946年には、名古屋工業経営専門学校（現在の名古屋大学）の名誉教授となり、教育界への貢献を続けました。また、愛知学院大学商学部の設立にも尽力し、1953年には初代学部長に就任しました。

國松は、経営学に関する多くの著作を残しており、その研究成果は、現代の経営学においても重要な示唆を与えています。著書には、『擬營内國商業實踐教科書』（1910年）、『工業 能率 研究』（1923年）、『科学的管理法に就て』（1924年）、『最新商業要項』（1925年）、『科学的管理法綱要 : 能率増進の原理及応用』（1926年）、『工場経営論』（1935年）、『新訂工場経営論』（1938年）、『工場経営の常識』（1941年）、『国松ゆたか句集 : 喜壽花鳥』（1956年）などがあります。また、彼を記念した論文集『経済と経営 : 国松豊先生喜寿記念論文集』（1955年）も刊行されています。

國松の功績を称え、愛知学院大学の名城公園キャンパスには「國松豊先生像」が設置されており、今も多くの学生や教職員に親しまれています。彼の教育者としての情熱と経営学への貢献は、後世に語り継がれることでしょう。

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