國民新聞 (1972年-)

國民新聞について

概要

國民新聞（こくみんしんぶん）は、政治団体である「國民新聞社」の機関紙として、月ごとに発行されていた新聞です。主に山田惠久が社主・主幹を務めており、2015年3月25日にその幕を閉じました。この新聞は、明治時代の作家・編集者である徳富蘇峰の「文章報国」という理念を復興させるために、1966年に読売新聞と産経新聞出身のジャーナリストによって復刊されました。この歴史は、明治23年に徳富が初めて発行した「國民新聞」から続いており、その理念を受け継ぐ形で再スタートしました。

発行部数と発刊歴

発行部数については公式には公表されておらず、2004年度の政治団体収支報告書に基づいて試算された結果、おおよそ675件という契約数が推測されています。政治団体の会員数は1272人と報告されています。公式サイトに掲載されている発刊歴を見ると、1972年には特別号が発刊され、1997年には再び発行が再開されました。その後は1998年から2014年まで月刊として刊行されたものの、2015年には再度休刊となりました。このように、繁忙な歴史を持つ新聞ですが、1990年には政治団体としての登録がなされ、その研究や発行が行われていました。

徳富蘇峰との関連

初代の「國民新聞」は1890年に徳富蘇峰によって創刊され、1942年には東京新聞と合併し廃刊されました。戦後、今日の政治団体による「國民新聞」では、徳富の創刊した新聞との関連性を主張していますが、本来の新聞との連続性について証拠があるとは言い切れません。また、後に復刻された書籍もあるものの、それが政治団体の復刻版とは関連づけられないことが確認されています。

論争記事

國民新聞では問題となる記事も存在しました。清水馨八郎が執筆した「小沢一郎は済洲島出身」とのタイトルの記事があり、特定の政治家に対する偏見を助長する内容とされました。この他、第19170号には「帰化国会議員一覧」が掲載されており、その中には事実に基づかない情報も含まれていたため、訴訟に発展した事例もあったようです。具体的には、土井たか子に関する帰化の事実が否定されるなど、誤った情報が引き起こした問題があり、河野太郎もまた、自身の名前が掲載されたことに対して法的措置を示唆するほどの怒りをあらわにしたという経緯があります。

まとめ

國民新聞は、その多彩な歴史と共に波乱万丈の道を歩んできた新聞でした。政治的な背景や歴史的意義を持つこの新聞は、論争を生むこともあった一方で、徳富蘇峰の精神を受け継ぐことを目指した作品でもありました。二度の休刊を経て、今日の日本におけるメディアの重要性を再認識させる存在とも言えるでしょう。

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