園山民平

園山 民平（そのやま みんぺい）

園山 民平は、1887年9月4日に島根県鳶巣村（現在の出雲市）で生まれた日本の作曲家です。彼の音楽家としてのキャリアは多彩で、満州における音楽の発展に大きく寄与しました。特に子供向けの唱歌や国歌の作曲に尽力し、教育にも深く関わりました。

経歴

園山は東京音楽学校師範科でピアノと作曲を学び、1910年に卒業しました。卒業後は宮崎高等女学校で音楽教師として教鞭を執ります。彼の人生の中で大きな転機となったのは、1922年に満州へ渡ったことです。ここで、南満州教育会の編集部に勤務しながら、教科書や副読本の編集に取り組みました。園山は著書や資料からは彼自身の音楽教育への期待が薄いと感じていたことが伺えますが、彼が関わった『満州唱歌集』の発行には重要な役割を果たしました。

1932年には、この唱歌集の大改訂が行われ、園山は満州各地を訪れて現地の音楽を採譜し、その改訂作業に貢献しました。彼のこの努力により、満州の音楽文化の保存と発展に寄与したと言えるでしょう。さらに、満州国の国歌も手掛け、大連音楽学校の創設に携わり、その校長としても活動しました。このような背景から、園山は大連を代表する音楽家として認識されるようになりました。

戦後の活動

終戦後は満州に亡命する形となった園山でしたが、1947年に帰国。その後、宮崎県での音楽活動を再開し、1949年には宮崎管弦楽団を設立しました。この団体は日本における市民オーケストラの先駆けとされ、彼が同様に録音機を携えて地元の民謡を採譜する姿勢は、地域文化の保存に向けた強い意志を示しました。これらの作業を経て、1954年には『日向民謡101曲集』として成果を残し、1957年にはその功績を称え宮崎県から県文化賞を受けることとなります。

晩年においても、彼は音楽の創作を続け、オペラ作品に取り組むようになりました。1951年には宮崎オペラ協会を設立し、その第1回公演として「桜子物語」を作曲しました。これは、彼にとって自己の音楽史における一つのピークでもありました。

著作と作品

園山はさまざまな形式で作品を残しています。歌劇では「桜子物語」（1951年）をはじめ、声楽曲には『教育 幼稚唱歌集』（1911年）、『第一巻童謡集』（1944年）、さらには『日向民謡101曲集』（1957年）などがあります。彼の作品は、教育現場でも広く使用され、特に学校歌においても彼の名が見られます。いくつかの学校の校歌も園山による作詞がなされています。

彼は1955年1月11日に67歳の生涯を閉じました。彼の葬儀は宮崎県音楽協会によって音楽葬として行われ、その足跡は後の音楽家たちに影響を与え続けています。

まとめ

園山民平は、日本における音楽教育や文化の発展に多大な貢献を果たしました。彼の人生は、音楽の力をもって地域社会に貢献し、後世にその影響を及ぼすものでした。

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