團成社

團成社の歴史

團成社（だんせいしゃ）は、大韓民国ソウル特別市鐘路区に位置する映画館で、朝鮮半島で初の常設映画館の一つとして知られています。1907年の開館以来、時代の変遷を経て多くの映画愛好者に親しまれてきました。その歴史は、近代朝鮮における映画文化の発展と密接に関連しています。

開館から日本統治時代まで

1907年6月4日、當時の大韓帝国の首府・漢城府に開館した團成社は、最初は350名収容可能な木造の映画館でした。日本の保護国となったこの時期、映画館は朝鮮人を対象にしたものであり、観客は主に地元の人々でした。

1917年、実業家の田村義次郎が所有権を引き継ぎ、翌年には4階建てへと改築されました。この改築後、館はより多くの観客を迎え入れることができるようになり、1919年には自ら製作した映画『義理的仇討』を公開。この作品は朝鮮映画の第一号と見なされています。映画館としての役割を果たしつつ、製作部門を持つことで新たな道を切り開きました。

戦争と経営の変遷

1939年には「大陸劇場」と改称され、経営者も変わりました。しかし、日本の管理下で戦争が進行する中、映画館の経営状況は厳しくなります。1946年には再び館名を「團成社」に戻し、観客定員を再度増やして営業を再開しました。

戦後の映画文化の発展

第二次世界大戦後、團成社は大韓民国の成立とともに、新たな映画文化の拠点としての役割を果たしていきました。1950年代にはハリウッド映画を上映し、観客の支持を集めました。さらに、1974年には近隣の地下鉄駅が開通し、交通の便が向上したことも相まって、多くの人々が訪れるようになりました。

モダンなシアターへの進化

2001年には旧館を解体し、2005年には新たに地下4階、地上9階のビルに再立ち上げられました。7スクリーンから始まったマルチプレックスシアターは、2006年にはさらに3スクリーンを追加し、10スクリーン体制へと進化しました。このように、近代的な映画館環境を整え、最新の映画体験を提供しています。

まとめ

團成社は、長い歴史を持ち、多くの映画文化の変遷を経た結果、現在の形に至っています。映画製作から上映まで、多岐にわたる役割を果たしながら、地域の文化的なシンボルとなっています。今後も映画愛好者にとっての重要な存在であり続けることでしょう。

もう一度検索