土井義尚

土井義尚：異色の経歴を持つ禅僧

土井義尚（どい よしなお）は、1942年生まれの日本の禅僧であり、元陸上自衛隊の将官（陸将）です。防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊に入隊し、エリートコースを歩みました。スウェーデン防衛駐在武官、武器学校長、技術開発官、補給統制本部長などの要職を歴任し、陸将にまで昇進しました。1999年に定年退官後、周囲を驚かせながらも僧侶になることを決意し、曹洞宗大本山永平寺で厳しい修行を積んで得度しました。

自衛官から僧侶への転身

土井氏は、自衛官時代に国際連合平和維持活動（PKO）の一環としてアンゴラに派遣され、4年間地雷除去を指揮しました。退官後、永平寺での修行を経て僧侶となりましたが、その間も社会貢献への意欲は衰えず、2001年には『日本地雷処理を支援する会』を創設し、理事長に就任しました。さらに、2008年にはアンゴラ事務所の現地代表兼地雷処理専門家として、地雷除去活動に尽力しました。

型破りな一面

土井氏には、自衛官時代のエピソードとして、防衛大学校で缶コーヒーの自動販売機を改造し、無料でコーヒーを提供したという逸話があります。この件で一時退校処分も検討されましたが、校長の温情により大目玉を食らうことで事なきを得たという、型破りな一面も持ち合わせています。

現在の活動

2022年現在、土井氏は山梨県甲府市の限界集落にある曹洞宗・自性院の住職を務めています。地域社会に貢献する一方で、DV被害女性を救済するための駆け込み寺「一福寺」の創設を計画するなど、その活動は多岐にわたります。また、僧籍のまま小松製作所の顧問を務めていた時期もあり、その幅広い知識と経験を活かして様々な分野で活躍しています。

その他の活動

土井氏は、元部下の進言により、カンボジアでの地雷処理NGO設立を決意し、「日本地雷処理を支援する会（JMAS）」を創設しました。この団体を通じて、地雷除去活動だけでなく、地雷被害者の支援にも取り組んでいます。また、数々の雑誌論文を発表しており、軍事、平和維持活動、そして僧侶としての視点から、多角的な意見を発信しています。

まとめ

土井義尚は、自衛官、僧侶、NGO活動家という複数の顔を持つ人物です。そのユニークな経歴と、社会貢献への情熱は多くの人々に影響を与えています。彼の活動は、軍事、宗教、人道支援といった様々な分野が交わる現代社会において、新しい価値観を示唆するものです。土井氏の今後の活躍が期待されます。

参考文献

「陸将住職の『行状記』(1～24)『軍事研究』 55(4)~57 (3), 2020-4～2022-03
「官でもない 民でもない そう(僧)でもない」『月刊JADI』(644) 24-39, 2001-01
「緊急展開能力と弾道ミサイルの近代化--中国の軍事態勢・地上軍ほか」『じゅん刊世界と日本』(955) 51-65, 2001-09-15
「元自衛官が振り返ったPKO」『Securitarian』 (529) 26-28, 2002-12
「私のライフワーク 連隊長、僧となりて不発弾処理に奮戦す」『時評』 48 (1), 98-103, 2006-01

関連情報

日本地雷処理を支援する会
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土井義尚 (@iq7Or54RyLeTuyb) - X（旧Twitter）
* チョイ聞き）江川紹子×土井義尚「ラジオの街で逢いましょう」より『RadiodaysTube』 - YouTube

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