土屋俊明

土屋俊明（つちや としあき）は、1932年2月6日に福岡県福岡市で生まれ、2024年6月2日に92歳で逝去した、日本のラグビー界を代表する人物です。選手として、そして指導者として、長年にわたり日本のラグビーの発展に大きく貢献しました。

ラグビー選手としての輝かしいキャリア

土屋氏は、スクラムハーフ(SH)を主なポジションとし、卓越した運動能力と戦術眼でチームを牽引しました。福岡中学（現在の福岡県立福岡高等学校）時代には全国大会で優勝、福岡高校時代にも全国大会準優勝を経験するなど、早くからその才能を発揮していました。明治大学に進学後、ラグビー部に入部し、100m11秒00という俊足を活かし、1952年から1959年までの8年間、日本代表として活躍しました。その間、6年間にわたり日本代表の主将を務め、チームをまとめ上げました。

特筆すべきは、1952年のオックスフォード大学との第2戦で、兄の英明氏と共に日本代表に選出され、兄弟で同じ試合で初キャップを獲得したという日本ラグビー史上初の快挙を成し遂げたことです。また、同年のオーストラリア学生選抜との試合では、土屋氏の逆転トライにより、それまで国際試合で連敗が続いていた日本代表が12-11で勝利を収めるという劇的な勝利を演出しました。さらに、オックスフォード・ケンブリッジ大学連合軍との試合では、明治大学の主将としてチームを率い、大学ラグビー界でもその名を轟かせました。

大学卒業後の1954年には、八幡製鐵（現在の日本製鉄）に入社し、同チームの中心選手として活躍しました。全国社会人大会で5回優勝、第一回NHK杯（後の日本選手権）でも優勝を果たすなど、八幡製鐵の黄金時代を築き上げました。八幡製鐵時代には、同じく明治大学出身の宮井国夫氏と名コンビを組み、多くの勝利に貢献しました。

引退後の活動と功績

現役引退後は、日本ラグビー協会の副会長、評議員、顧問などを歴任し、ラグビー界の発展に尽力しました。また、九州ラグビーフットボール協会の会長も務め、地域ラグビーの振興にも貢献しました。

土屋俊明氏のラグビーに対する情熱と貢献は、日本のラグビー界に多大な影響を与えました。選手としてはもちろんのこと、指導者としても優れた手腕を発揮し、多くの後進を育て上げました。その功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

関連情報

福岡県立福岡高等学校
明治大学ラグビー部
* 日本製鉄八幡ラグビー部

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