土屋弘光

土屋 弘光

土屋弘光（つちや ひろみつ、1932年11月25日生まれ）は、広島県福山市に生まれた元プロ野球選手であり、コーチや解説者としても広く知られています。彼の野球キャリアは多岐にわたり、選手としての活躍のみならず、その後の指導者としての影響力も大きいです。

経歴

土屋は盈進商業高等学校に在学中、1949年の秋季中国大会に出場しますが、一回戦で米子東高に敗退します。翌年の夏には、西中国大会の準決勝に進むも、三原高に敗退。その際、打撃フォームを新田恭一に指導してもらったり、アメリカの野球技術書を読み漁ったりと、自己改善に努めました。高校時代の同級生には捕手の神崎安隆がいました。

高校卒業後、1952年に明治大学へ入学し、主に二塁手としてプレーします。彼は東京六大学野球リーグで同級生のエース・秋山登の力を借りながら、3度のリーグ優勝を果たしました。特に1955年には、全日本選手権での優勝にも貢献し、大学最後の年に大きな成果を上げました。

プロのキャリアと困難

大学卒業後の1956年、中日ドラゴンズに入団しますが、プロ生活は波乱に満ちたものでした。キャンプ中に危険な事故に遭遇し、頭部にボールが直撃し、重傷を負います。その影響で一時意識を失ってしまうなど、過酷な状況に直面しました。入院後、復帰を果たしたものの、体力の不足や後遺症の影響で、プロ野球選手としての道は果たせず、同年限りで引退しました。なお、彼の頭部への死球が、プロ選手のヘルメット着用を義務付けるきっかけとなりました。

引退後のキャリア

引退後は、中日ドラゴンズでマネージャーやスコアラー、コーチ等を歴任しました。選手たちの成長を支援し、1962年には史上初の春夏連覇を達成した作新学院の加藤を獲得するため、独身の彼が加藤選手の姉とのお見合いを推進しました。その後、加藤選手は中日に入団し、意外な方法で土屋の婚姻関係も築かれました。

1968年、野球理論を深めるためにアメリカへ渡り、メジャーリーグでの経験を積みました。約半年間の滞在後、ロッテで指導者として活動します。その後も、大洋など複数のチームでコーチを務めながら、選手育成に貢献しました。

解説者としての活動

コーチ業の傍ら、1970年代にはテレビやラジオでも野球解説を行い、幅広い知識と経験を活かして多くのファンに親しまれる存在となりました。

現在

現在ではマスターズリーグの東京ドリームスやNTT信越硬式野球クラブの総監督として、野球界への貢献を続けています。彼の経験や見識は、後進に多くの影響を与えつけるものとなっています。

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