土屋豊

土屋 豊

土屋 豊（つちや ゆたか）は、1966年12月11日生まれの日本の映画監督です。特にドキュメンタリー映画の分野で知られる一方、ビデオアクティビストとしても活動しており、個人が制作したビデオ作品の流通を目的としたプロジェクト「Video Act!」を立ち上げ、中心となって運営しています。また、2012年からは、映画表現の多様性を目指す独立系映画制作者のネットワークである「独立映画鍋」において、共同で代表を務め、日本のインディペンデント映画の環境整備にも貢献しています。

経歴

群馬県立高崎高等学校を卒業後、明治大学文学部演劇学専攻で学びました。大学在学中から記録映画の助監督として現場に加わり、経験を積みました。大学卒業後は、すぐに映画の世界に進むのではなく、コンピューターグラフィックス（CG）やゲームソフトの開発指揮に関与するなど、異分野での活動も経験しています。

その後、自身の映画制作を開始し、社会的なテーマや個人の内面に深く切り込む作品を発表していきます。

主な作品と評価

土屋監督の作品は国内外で高い評価を受けています。

特に、1999年のドキュメンタリー映画『新しい神様』は、山形国際ドキュメンタリー映画祭で国際批評家連盟賞特別賞を受賞し、その名を広く知られるきっかけとなりました。この作品では、後の作家・活動家となる雨宮処凛が主演を務めています。

2003年の作品『PEEP "TV" SHOW』もまた、国際的な映画祭で高く評価されました。ロッテルダム国際映画祭では国際批評家連盟賞を、モントリオール国際ニューシネマ映画祭では最優秀長編映画賞を受賞。さらにハワイ国際映画祭ではNETPAC特別賞を得るなど、複数の賞に輝き、その独創的な視点が高く評価されました。

そして、2012年の第25回東京国際映画祭においては、『タリウム少女の毒殺日記』が「日本映画・ある視点」部門において作品賞に選ばれています。この作品は2013年7月6日に一般公開されました。

監督作品一覧

Identity? (1993年)
あなたは天皇の戦争責任についてどう思いますか？ <96.8.15靖国篇> (1997年)
涼子・21歳 (1998年)
新しい神様 (1999年)
PEEP "TV" SHOW (2003年)
幽閉者たち (2006年)
タリウム少女の毒殺日記（2013年7月6日公開）

これらの作品リストは、社会の様々な側面や人間の心理に迫る、土屋監督の多様な探求の軌跡を示しています。

その他の活動

前述の通り、土屋監督はビデオアクティビストとして「Video Act!」を運営し、個人制作の映像がより多くの人に届くための活動を行っています。

また、自主映画の現場を支援し、その多様な表現を守り育てるための「独立映画鍋」の共同代表としても、日本の映画文化に貢献しています。

メディア出演としては、2018年5月26日からインターネットテレビ番組「自主映画のチカラ」（K'z Station）に出演しています。

関連人物・グループ

土屋監督の作品制作に関わる人物やグループも存在します。

雨宮処凛: 映画『新しい神様』で主演を務めたほか、『PEEP "TV" SHOW』では共同脚本を担当しました。
REBEL BLUE: 『新しい神様』の主題歌を提供したグループです。元VJとしても活動していました。
加藤健: REBEL BLUEのボーカルであり、『新しい神様』の主題歌の作詞作曲を手掛けています。

土屋豊は、自身の映画制作に加え、自主的な映像表現の流通支援やインディペンデント映画界全体の発展にも力を注ぐ、多角的な活動を展開する日本の映画監督です。

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