土岐市民の歌

土岐市民の歌について

「土岐市民の歌」は、岐阜県土岐市の市民歌として知られ、作詞は土岐市民の歌制定委員会、補作詞は森菊蔵が担当し、作曲は松尾隆夫が務めています。この市民歌の背後には、地域の歴史や市民の想いが詰まっており、時間をかけて形作られてきました。

市民歌制作の背景

市民歌の制作が始まったのは1971年、土岐青年会議所（JC）の設立5周年を祝う活動の一環として企画されました。当初は日本コロムビアに依頼し、専属の作詞家藤浦洸と作曲家古関裕而によって「土岐市民歌」が制作されました。しかし、市民からの関与がないことや地域性に乏しい歌詞についての批判が多く寄せられたため、この曲は発表されることなく「幻の曲」として忘れ去られることとなります。

再度の試み

その後の1972年には、土岐青年会議所が市民からの歌詞を一般公募し、新たに松尾隆夫による作曲で「土岐市民の歌」が完成しました。当初は公式に制定されなかったものの、1990年に市制35周年の記念行事として正式に市民歌として認定されました。

2020年には市民の健康増進を目的に、この市民歌を用いたオリジナル体操が企画されるなど、地域社会に根ざした活動が広がっています。

幻の市民歌の発見

「土岐市民の歌」制作の過程において、未発表の古い市民歌の存在が長らく忘れられていました。しかし、2017年に土岐市の市民が福島市古関裕而記念館を訪れた際、古関の作曲リストに「土岐市民歌」というタイトルの楽曲が掲載されているのを見つけたことで、この「幻の市民歌」が再び注目されることになりました。発見者はその件を土岐市図書館に問い合わせたところ、現行の市民の歌が発表される2年前にこの「土岐市民歌」が作られていたことが確認されました。

2020年には、NHKの連続テレビ小説『エール』において古関裕而が主人公として取り上げられた影響もあり、土岐市では8月1日にこの幻の市民歌の復活演奏が行われました。ただし、新型コロナウイルスの影響により、この演奏は市関係者とメディア関係者のみに公開される形となりました。

参考資料

中山裕一郎監修の『全国 都道府県の歌・市の歌』（東京堂出版、2012年）には土岐市民の歌についての記載があり、236ページにその詳細が掲載されています。

関連情報

岐阜県の他の市町村の市民歌についての情報も併せて探してみると、地域の歌にかける想いや歴史が見えてくるでしょう。土岐市に限らず、その土地の文化を代表する歌が多く存在します。

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