土岐成頼

土岐成頼の生涯と歴史

土岐成頼（とき しげより）は、室町時代から戦国時代にかけて活躍した武将で、美濃国の守護大名であり、土岐氏の第11代当主です。法名は宗安であり、金森長近の曾祖父としても知られています。

成頼の家系と起源

成頼の父に関しては、いくつかの説があります。『寛政重修諸家譜』では、饗庭義枚の子供、また『美濃古戦記史考』では一色義遠の子供とされるなど、さまざまな文献が異なる見解を示しています。それぞれの見解に基づいた家系図が存在し、彼の起源は多様な解釈が可能です。

美濃国の守護大名

康正2年（1456年）において、美濃国守護であった土岐持益が隠居した際、持益の息子持兼が早世し、土岐氏は継嗣を巡る問題に直面しました。この時、成頼は斎藤利永によって家督を継ぐことになり、彼は美濃守と左京大夫に任命されます。第8代将軍の足利義成からは、名前に偏諱を与えられ、成頼と名乗ります。

応仁の乱とその後

応仁元年（1467年）、成頼は応仁の乱において西軍に属し、8000余騎を率いて戦いに参加しました。しかし、戦局が悪化すると彼の本国である美濃は守護代の斎藤妙椿によって守られ、妙椿は堅固な防御態勢を整えます。成頼は妙椿の下で力を付け、美濃の政局の中枢に影響を及ぼすようになりました。

文明5年（1474年）には、その子である土岐政康が幕府に出仕する事態が発生し、成頼に対する討伐の使者が出されます。結果として、土岐氏の影響力が揺らぎ始めることになったのです。

内政と戦乱

成頼の長い生涯の中でも、長享元年（1487年）における長享・延徳の乱では、幕府に反発して挙兵し、美濃山中に立て籠もりますが、義尚の病死により戦闘は避けられました。明応3年（1494年）には家督を巡って子の政房と元頼との間で政争が勃発し、さまざまな合戦が続きました。

晩年と死去

成頼は1496年に剃髪し、法名を宗安とし、政治の表舞台から退くことを決意しました。明応6年（1497年）4月、自身の死去により56年の生涯を閉じます。彼の死後、美濃の政治は混乱を極め、傀儡の立場にあった土岐氏はさらに弱体化していくことになります。

大切な遺産

成頼は文化にも寄与し、南宮神社を崇敬し、一切経を奉納するために尽力しました。また、その像は瑞龍寺に所蔵され、「岐阜鍾秀」という表記があることから、当時の地名としての「岐阜」が存在したことを示しています。彼の歴史は美濃国の成り立ちと密接にかかわっており、地域の文化や戦国時代の流れを理解する上で重要な存在とされています。

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