土樽スキー場

土樽スキー場

新潟県南魚沼郡湯沢町に位置していた土樽スキー場は、かつてこの地で営業を行っていたスキー施設である。その歴史は古く、1941年に開設された。当初は日本国有鉄道（国鉄）が運営主体であり、鉄道を利用して訪れるスキー客を主なターゲットとしていたと見られる。後に、1990年にはコクド（現在のプリンスホテル）へと経営が引き継がれ、同社のスキー場ネットワークの一員となった。

概要と歴史

土樽スキー場は、昭和初期という早い時期に営業を開始した点に大きな特徴がある。国鉄がスキー場を運営していた背景には、鉄道網の延伸と余暇の過ごし方の多様化があったと考えられる。駅からのアクセスが良い立地を活かし、手軽に立ち寄れるスキー場として親しまれていた可能性が高い。

1990年に経営がコクドに移管された後も、スキー場自体の規模は基本的に変わらなかった。設置されていた施設はリフト1本と、それに伴うゲレンデコースが1つという小規模なものであった。スキー場が使用していた土地は、地元の湯沢町から無償で貸与されており、運営上の利点の一つとなっていた。

利用状況と閉鎖に至る経緯

土樽スキー場も、他の多くの日本のスキー場と同様に、スキー・スノーボードを取り巻く社会情勢の変化の影響を受けた。特に、1990年代後半以降のスキーブームの沈静化は、全国的なスキー場利用者数の減少を招いた。土樽スキー場も例外ではなく、かつては年間13,000人を数えるシーズンもあったという利用者数は、年々減少していった。

閉鎖が決定される直前の状況は、特に厳しかった。最後に営業が行われた2004年から2005年のシーズンには、利用者数がわずか2,810人にまで落ち込んだ。これは、当時湯沢町内に営業していた17ヶ所のスキー場の中で、最も少ない数字であり、経営的な維持が極めて困難であることを示していた。

こうした状況を踏まえ、運営主体であるコクドは、今後の採算が見込めないと判断。2005年から2006年にかけての冬期シーズンに向けた営業は行わないことを決定し、結果として閉鎖に至った。閉鎖が近づく時期には、採算性や利用者数減に対応するためか、営業日が週末や祝日に限定されるという形態が取られていた。

湯沢町は、2005年の時点で、土樽スキー場が地域経済にもたらす年間約3,800万円の波及効果を試算していた。小規模ながらも一定の経済効果を有していたことが伺えるが、閉鎖によってこの効果は失われることとなった。

施設構成

土樽スキー場に設置されていた主要な施設は以下の通りである。非常にシンプルな構成であった。

設置リフト：ペアリフト 1基

アクセス

土樽スキー場へのアクセスは、特徴的な経路を含んでいた。特に鉄道利用の場合、駅からの近さが利点であった。

自動車でのアクセス：関越自動車道の湯沢インターチェンジから車で約11キロメートルの距離に位置していた。
* 鉄道でのアクセス：最寄りの駅は上越線の土樽駅であった。駅からスキー場までは徒歩約3分と非常に近かったが、駅構内を通過する必要があった点がユニークであった。

土樽スキー場は、日本のスキー場リストにおいて新潟県の項目に名を連ねていた存在である。また、近隣にはかつてユースホステル土樽山荘があり、宿泊施設として利用された時期もあった。かつての公式サイトは、PRINCE SNOW RESORTのウェブサイト内にアーカイブとして残されている場合がある。

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