土橋里木

土橋里木（つちはし りき）について

土橋里木（本名：土橋力）は、1905年1月4日に山梨県で生まれ、1998年11月25日に逝去した歴史的な郷土史家です。彼は民俗学や口承文芸の研究に献身し、地域の文化や伝承を後世へと伝える役割を果たしました。

生い立ちと経歴

土橋は山梨県西八代郡上九一色村古関（現在の甲府市古関町）に生まれました。彼は父親の喜一と母親のかんの長男として、大変な幸福の中で育てられました。教育は上九一色尋常小学校から始まり、1922年に山梨県立甲府中学校（現・山梨県立甲府第一高等学校）を卒業します。

卒業後、土橋は地元の上九一色郵便局に勤務し、以来、その郵便局は彼の家系にとって特別な場所となります。上九一色郵便局は1874年に開局され、彼の曽祖父である土橋助右衛門が初代局長を務めていました。土橋は1948年に五代目局長に就任し、1973年までその職を全うしました。

学術活動

彼は地域の文化や歴史に対する強い熱意を持ち続け、学問的な活動にも尽力しました。日本民俗学会では評議員を務め、山梨郷土研究会、峡南郷土研究会においても重要な役割を果たしました。また、上九一色村文化財審議委員会の会長として、地域の文化財の保護にも関与しました。

彼の研究と業績は高く評価され、1977年には第一回野口賞（郷土研究部門）を受賞することになりました。

著作活動

土橋は数多くの著作を残しており、その内容は地域の文化や伝承に関する貴重な資料となっています。主な著作には以下のようなものがあります。

• - 『甲斐昔話集』（1930年、郷土研究社）
• - 『続甲斐昔話集』（1936年、郷土研究社）
• - 『甲斐伝説集』（1953年、山梨民俗の会）
• - 『富士北麓昔話集』（1957年、山梨民俗の会）
• - 『日本の民俗19 山梨』（1974年、第一法規）
• - 『甲斐の伝説』（1975年、第一法規）
• - 『日本の伝説10 甲斐の伝説』（1976年、角川書店）
• - 『全国昔話資料集成16 甲斐昔話集』（1976年、岩崎美術社）
• - 『甲斐の民話』（1977年、未来社）
• - 『山梨県の民話と伝説』（1979年、有峰書店）
• - 『山峡』（1981年、城北書房）
• - 『早春』（1983年）
• - 『わらべ唄研究ノート 山梨県上九一色村の童謡と童戯』（1987年、山梨ふるさと文庫）
• - 『山村夜譚』（1993年、近代文芸社）
• - 『渓流』（1995年、近代文芸社）

これらの著作は、彼がどのように地域の伝承や文化を収集し、保存していったのかを示す重要な資料となっています。

土橋里木は、彼の研究を通じて多くの人々に地域文化の大切さを教え続けました。彼の知識と情熱は後世にわたって生き続け、現在も郷土の精神の象徴として人々に尊敬されています。

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