土瓜湾

土瓜湾（トクワワン、英語名：To Kwa Wan）は、香港の九龍半島南部に位置する、住宅と商工業が混在するエリアです。行政区としては九龍城区に属しています。

地理と歴史

その地名の由来となった「土瓜湾」という湾がかつて存在しましたが、埋め立てによって現在はその姿を消しています。土瓜湾は、紅磡（ホンハム）の北側に隣接しており、市街地の中央を5号幹線道路の高架が走り、南北には馬頭囲道が主要道路として、紅磡と九龍城を結んでいます。

町並みと生活

土瓜湾の街並みは、古くからあるエレベーターのない低層の建物が多く、香港のローカルな雰囲気を色濃く残しています。沿道には、1階に商店、2階以上が住宅という典型的な香港の住居形式が見られます。また、地元住民の生活を支える街市（市場）や市政大厦も存在します。生活雑貨や食料品などを扱う小さなお店が軒を連ね、下町情緒あふれる光景が広がっています。

交通

この地域はバス路線が非常に発達しており、特に紅磡や尖沙咀方面へのバスが頻繁に運行しています。これは、2021年6月に屯馬線（Tuen Ma Line）の土瓜湾駅が開業するまで、鉄道の駅がなかったことが背景にあります。以前は鉄道網から取り残された地域であったため、他の九龍の地域と比較すると、発展が比較的ゆっくりとしたペースで進んできました。しかし、地下鉄駅の開業によって、今後発展が加速する可能性も秘めています。

社会経済

土瓜湾は、住民の所得水準が比較的低いエリアとして知られています。しかし、町の西側に位置する比較的新しい民間マンションの住民は例外で、所得水準が高い傾向にあります。全体的にはローカルな住民が多く、生活感あふれるエリアです。そのため、地元密着型のお店が多く、観光客向けの店は少ないのが特徴です。香港のローカルな雰囲気を味わいたい人にとっては魅力的な場所でしょう。

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