圧痛

圧痛（tenderness）とは

圧痛とは、医学領域において、身体の特定の部位を圧迫した際に生じる痛みや不快感のことを指します。これは、炎症や損傷など、その部位に何らかの異常が存在することを示す可能性があります。圧痛は、患者の主訴と合わせて、医師が診断を行う上で重要な情報源となります。

圧痛を示す部位は圧痛点と呼ばれ、特定の疾患において特徴的な圧痛点が現れることがあります。そのため、圧痛点の位置を特定することは、鑑別診断を進める上で非常に有効です。

様々な圧痛点と関連疾患の例

以下に、代表的な圧痛点と、それに関連する可能性のある疾患の例をいくつか挙げます。

McBurney（マックバーニー）圧痛点: 虫垂炎の診断において重要な圧痛点です。右下腹部にあるこの点を押すと、強い痛みが生じます。
Solar（ソーラー）圧痛点: McBurney圧痛点と同様に、虫垂炎で見られることがあります。
Boaz（ボアズ）圧痛点: 胆嚢炎や胆石症など、胆嚢に関連する疾患で圧痛を示すことがあります。
Sawada-G（澤田G）点: Boaz圧痛点と同様に、胆嚢疾患で圧痛が見られることがあります。
Sawada-P（澤田P）点: 膵炎など、膵臓の疾患において圧痛を示すことがあります。

その他の関連情報

反跳痛（rebound tenderness): 腹膜刺激徴候の一つで、腹部を圧迫した後に急に手を離すと、瞬間的に激しい痛みが生じる現象です。
線維筋痛症: 全身の広範囲に慢性的な痛みが生じる疾患で、特定の圧痛点が診断基準の一つとなっています。

圧痛を評価する際の注意点

圧痛の有無や程度を評価する際には、患者の主観的な感覚に左右されるため、以下の点に注意が必要です。

患者とのコミュニケーション: 痛みの種類や強さ、広がりなどを詳しく聞き取り、患者に正確に表現してもらうことが重要です。
触診の技術: 適切な力加減で圧迫し、患者の表情や反応を注意深く観察する必要があります。
既往歴の考慮: 過去の病歴や手術歴などが、圧痛の出現に影響を与える可能性があるため、考慮に入れる必要があります。

関連用語

虫垂炎
胃潰瘍
* 十二指腸潰瘍

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