在日パキスタン人

在日パキスタン人について

在日パキスタン人とは、日本に一定期間在住するパキスタン国籍の人々を指します。中には日本に帰化したり、亡命した人、またはその子孫も含まれており、これらの人々はパキスタン系日本人と呼ばれます。

統計

法務省の在留外国人統計によると、2023年12月末時点で日本に在住するパキスタン人は25,334人です。これはイスラム圏出身の在日外国人の中では、インドネシアに次いで2番目に多い数です。在留資格別、都道府県別の詳細は以下の通りです。

在留資格別 (上位6位まで)

(具体的なデータは省略)

都道府県別 (上位8位まで)

(具体的なデータは省略)

歴史と概要

1980年代末から、日本に在住するパキスタン人の数は急増しました。当初、パキスタンと日本は査証相互免除国でしたが、不法滞在者の増加により1989年に査証免除は停止されました。近年では、2世や永住者、日本国籍を取得する人も増えています。

中古車輸出と地域コミュニティ

在日パキスタン人の多くは、中古車輸出ビジネスに関わっています。特に富山県の伏木富山港周辺がその中心地であり、射水市や高岡市、富山市などに多くのパキスタン人が居住しています。この地域では、パキスタン人コミュニティの存在感が大きく、「イミズスタン」と呼ばれることもあります。しかし、日本人との間に摩擦も生じており、2001年にはコーラン破棄事件も発生しました。

埼玉県八潮市も、自動車オークション会場が近いため中古車関連の産業が盛んで、在日パキスタン人のコミュニティが形成されています。この地域は「ヤシオスタン」と呼ばれることもあります。パキスタン料理店や食材店が集まる一方で、2017年の統計では、八潮市在住のパキスタン人は134人と、他の在日外国人コミュニティと比較すると少ないです。

事件・詐欺

残念ながら、在日パキスタン人の中には、詐欺などの犯罪に関わる者もいます。例えば、海外向けウェブサイトに架空の日本車販売広告を掲載し、アフリカの消費者から約1,100万円をだまし取ったとされるパキスタン人の男らが逮捕される事件も発生しました。

著名な人物

在日パキスタン人、またはパキスタンにルーツを持つ著名な人物には、以下のような人々がいます。

フセイン・シャー：元プロボクサー
タイムール・フセイン：プロゴルファー
サイード横田仁奈：新体操ロンドン五輪代表選手
サイード横田絵玲奈：AKB48研究生
谷まりあ：モデル
フマユン・A・ムガール：ジャーナリスト
マサイ：YouTuberグループ「フィッシャーズ」のメンバー
ミアン・マクブール・フセイン：野球パキスタン代表元監督。

その他の情報源

在日パキスタン人に関するさらに詳しい情報は、以下の資料からも得られます。

（英語） Kudo, Masako. "Constructing "Home" across National Boundaries: A Case of Pakistani-Japanese Marriage"
工藤 正子 (2008年5月), 越境の人類学—在日パキスタン人ムスリム移民の妻たち
* Kudo, Masako (November 2007), “Raising Muslim Children in "Multicultural" Japan: Experiences of Japanese Women married to Pakistani Migrants”

まとめ

在日パキスタン人は、日本社会において重要な役割を果たしています。中古車輸出業を中心とした経済活動、地域コミュニティの形成、そして文化交流など、様々な側面で日本の多文化共生に貢献しています。しかし、一部には社会問題に関わるケースも見られるため、より良い共生社会の実現に向けて、理解と協力が必要です。

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