在日本朝鮮労働総同盟

在日本朝鮮労働総同盟 (ざいにほんちょうせんろうどうそうどうめい)

在日本朝鮮労働総同盟、通称「労総」は、戦前の日本に存在した在日朝鮮人の労働組合連合体である。この組織は、1919年3月の三・一独立運動の影響を受け、朝鮮人の日本内地への渡航制限が緩和された1922年以降、急増した朝鮮人労働者の権利を守り、労働運動の組織化を図るために設立された。

結成の背景と経過

1922年、日本の内地における朝鮮人労働者は約4万人に達し、1925年にはその数が20万人にまで増加していた。この急激な数の増加は、社会主義運動の広がりと相まって、労働者の結束が必要であるとの認識を深めた。そのため、1925年2月22日、東京において、大阪、東京、京都、神戸から集まった在日朝鮮人労働団体が一堂に会し、在日本朝鮮労働総同盟を設立した。この創立大会では、八時間労働制や最低賃金制などを含む5項目の主張が採択された。

初代委員長には李憲が就任し、共産主義者の金天海や朴相勗などが中心的な活動家として参加していた。1925年7月には神奈川で地方組織として神奈川朝鮮合同労働会が結成され、その後も労総は急速に組織を拡大していった。

最盛期の活動

設立当初の組織人員は約1220人であったが、1927年の第3回大会には3万人を超えるまでに発展した。また、昭和金融恐慌の時期には多くの争議を指導し、特に労働者たちの権利を守るために奮闘していた。労総は、朝鮮共産党や日本の左翼団体との連携を強化し、労働運動と並行して民族独立のための運動も活発に行った。

「朝鮮労働」「現段階」といった朝鮮語の機関誌を発行し、在日朝鮮人のコミュニティ内で情報を共有する役割も果たしていた。1928年のプロフィンテルン第4回大会を契機に、労総は日本労働組合全国協議会との合同を提案されたことがきっかけとなり、その後の動きが展開される。

解体とその後

1929年には共産主義者である金斗鎔らが、労働者が民族的闘争を放棄すべきではなく、労働者独自の運動に戻るべきだと主張した。この意見は、労総内での対立を引き起こし、同年7月には東京と川崎・横浜の労総の間で内ゲバが発生した。この流れに乗って、1929年12月14日の全国代表者会議で、全協への合同方針が決定される。

最終的に1930年10月、労総は解散し、その後全協に再編成されたものの、組合員数は2600人にまで減少した。このように、在日本朝鮮労働総同盟は日本における在日朝鮮人の労働運動及び民族運動の中心として、重要な歴史的役割を果たしたが、その後の時代の変化に伴い、活動の形態を大きく変えることとなった。

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