地中海戦域 (第二次世界大戦)

地中海戦域の詳細

第二次世界大戦における地中海戦域は、1940年6月10日にイタリア王国が連合国に宣戦布告し、1945年5月2日にドイツ・イタリア方面軍が降伏するまでの期間に広がる陸戦、海戦、空戦を指します。

開戦時の地中海情勢

イギリスは欧州で最強の海軍国として、地中海においても重要な海軍基地を運営していました。西側はジブラルタル、東側はアレクサンドリア、中央にはマルタ島を設けており、地中海全域で優位性を保っていました。1939年の第二次世界大戦勃発以降、地中海では大きな戦闘が起こりませんでしたが、1940年6月10日にイタリアが連合国へ宣戦を布告したことで、戦況は大きく変化しました。

戦闘の経過

イタリアとイギリスの戦闘開始

イタリアが参戦した初期、両国間の戦闘は少なかったものの、イタリアのベニート・ムッソリーニは北アフリカやギリシャへの進攻を試みました。イギリスの地中海艦隊はこれに対抗し、様々な戦略に出ました。7月にはカラブリア沖で海戦が発生し、イタリア艦隊は退却を余儀なくされました。その後のタラント空襲などでイギリス軍が優勢となり、イタリア軍は次第に劣勢に立たされました。

ドイツの介入

1940年12月からはドイツの介入が始まり、シチリアへ空軍を派遣しました。マルタを巡る駆け引きが続く中、イギリスは増援を試みるも、ドイツ空軍の攻撃に直面します。さらに、1941年にはドイツ軍がギリシャへの侵攻を行い、その結果、イギリスは北アフリカへの支援を急ぐこととなりました。

北アフリカ戦線の変化

1941年6月、ドイツはソ連に侵攻し、その空軍力が地中海から抜けたため、イギリス軍は反攻を開始しました。特に、11月のクルセーダー作戦での成功は連合国の士気を高めました。冬季に入り、ドイツはシチリアに帰還し、連合軍は北アフリカの制圧を進めていきます。

エル・アラメインの戦い

1942年、イギリス軍はマルタからの補給を強化し、エル・アラメインでの戦闘が始まります。ロンメル指揮下のアフリカ軍団は壊滅的な損害を受け、最終的にはチュニジアへ退却します。このことにより、連合軍は次第に北アフリカにおける優位を確保していきました。

イタリアの降伏と本土での戦闘

1943年、連合軍がシチリアに上陸すると、イタリアの政権は崩壊の危機を迎え、ムッソリーニは失脚します。新たに成立した政権は休戦を表明したが、ドイツ軍はローマを占領します。イタリア戦線は開幕し、連合軍は潮流を維持しながら北上し続けました。1944年にはローマを占領し、ドイツ軍との激闘が続きます。

結末

1945年には連合軍が再度進攻し、イタリアのパルチザンが反乱を起こしました。最終的に、5月2日にドイツ軍が降伏し、地中海における戦いは終了しました。この戦闘によって、各国の戦略が変わり、戦争の流れに大きな影響を与えました。

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