地井武男

地井武男（ちい たけお）

地井武男は1942年5月5日に千葉県八日市場市に生まれ、本名でも知られる日本の俳優です。彼の身長は175cm、体重は63kgで、サイプロダクションに所属していました。

人生と俳優業の始まり

デビュー前、地井は八日市場町で8人兄弟の末っ子として育ち、中でも長兄以外はすべて女性という家庭でした。千葉県立匝瑳高等学校を卒業後、1963年に俳優座養成所に入所し、ここで原田芳雄や林隆三などとは同期生となります。1966年に養成所を卒業後、オンシアター自由劇場の創立メンバーとしても活動し、その後、テレビや映画で幅広い役柄を演じるようになります。

映画とドラマでの活躍

岡本喜八監督の『斬る』で映画デビューし、1970年には武田敦監督の『沖縄』で初主演を果たします。彼の演技力は特に社会派・戦争映画や日活ニューアクション系作品で評価され、善人役から悪役まで多彩なキャラクターを演じました。特に、1981年の『月光仮面THE MOON MASK RIDER』で演じた新興宗教系テロリスト幹部の役では、彼の演技の幅が述べられました。

1982年からは人気ドラマ『太陽にほえろ!』に出演し、1986年の放送終了までレギュラーとして活動しました。以降は中年男性の自然な役が増え、バラエティ番組やCMにも進出し、広く知られるようになります。

プライベートと健康

1974年に真木沙織と結婚し、1女をもうけましたが、2001年に妻が癌で亡くなるという辛い経験をします。2004年には再婚し、新たな生活をスタートさせました。地井は1995年に狭心症で入院し、その後からは健康を意識するようになり、喫煙をやめる決意をしました。

『ちい散歩』と生活の一部

地井はまた、日本の四季や自然、植物を愛し、2006年には、自らのライフワークとなるテレビ番組『ちい散歩』を開始します。番組は6518回の放送を数え、自身が訪れた地点は833カ所に及び、総歩数は322万7千歩、総距離は2581.6kmを記録しました。この『ちい散歩』は散歩ブームの先駆けともなり、彼は「散歩の達人」として名を馳せました。

闘病と逝去

2012年1月に視力の問題で入院し、その結果、心疾患が判明。2月には活動を休止し、療養に専念します。わずか数ヶ月後の6月29日、東京都の病院で心不全により70歳で亡くなりました。

彼の訃報に際しては、俳優仲間や若い世代のファンからも多くの追悼の声が寄せられ、「ちい兄ぃ」と呼ばれる彼の思い出が語られました。最後の仕事は『ちい散歩』の収録であり、映像作品『大崎郁三の事件散歩』が彼の遺作となります。

地井武男は日本のエンターテイメント界に多大な影響を与えた俳優として、今も多くの人々に記憶されています。

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