地名決定委員会

地名決定委員会の概要

地名決定委員会（ポーランド語: Komisja Ustalania Nazw Miejscowości）は、1946年1月にポーランド行政省によって設立され、旧ドイツ東部領土と呼ばれる地域における地名の確認および改名を担当しました。この役割を果たすために、地域における地理的、歴史的な背景を考慮し、約32,000件の地名を確定しました。

背景

ポツダム会談の結果、オーデル・ナイセ線以東の地域はポーランドに編入されました。これにより、ドイツ系住民は大部分が国外に追放され、地域には新しいポーランド人の入植者が流入しました。この過程で、戦前の住民の知識と歴史をいかに尊重しつつ、ポーランドとしての新しいアイデンティティを築くかが課題となりました。

ポーランド人の中でも、特にマズールィ地方やカシュビア地方に住んでいた先住民たちの存在は、回復領の「ポーランドらしさ」を強調する材料とされ、ポーランド当局は彼らの維持に努めました。地域の「ポーランドらしさ」を根付かせるために、従来の地名の見直しや新たな命名が進められました。

地名の決定プロセス

1945年には西方研究所とポズナン大学が協力し、地名の標準化に向けた作業が始まりました。その後、地名決定委員会が設立され、交通省や郵政省の専門家と共同で地名選定が行われました。委員会は、旧ドイツ領に関する歴史的資料を基に、住民の意向を考慮することなく、新たな地名を選定することが多くありました。

地名決定委員会は、特に古い地名を選定する際には、19世紀末に発表された文献に基づくことをルールとして定め、ドイツ語の地名をポーランド語に翻訳することを禁じました。この決定は、地域住民にとっては受け入れがたいことも多く、地域の理解を得られないまま地名改定が進められる事態が生じました。

初期の改名

改名する方法には、ドイツ語の発音をポーランドスタイルにすることや、ドイツ語の意味を直訳したり、地形に基づいて名付けるなど、多様なアプローチが採用されました。しかし、こうした改名に対して地域住民からの反発も多く見られ、地名変更の際には、旧地名の保存を求める運動も起こりました。

1945年の会議と委員会設立

1945年に行われた固有名詞学会議で、公式に地名に関する方針が決定され、その後、地名決定委員会が発足しました。委員会は、クラクフ、ポズナンの地域に分かれ、それぞれが担当地域の地名を扱うようになり、数回の会議を重ねて地名の選定を進めました。初年度の活動で、約4,400の地名が整備され、1947年には500人以上の集落のほとんどの名称が決定されました。

現在の状況

現在、ポーランドでは地名の標準化を行う委員会が引き続き存在しており、地域の地名や地形に対する理解を深める活動が続けられています。地名決定委員会によって開始された標準化作業は、今も多くの地域でその影響を与え続けています。

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