地域航空サービスアライアンス

地域航空サービスアライアンス（EAS）について

地域航空サービスアライアンス有限責任事業組合（EAS LLP）は、九州地域における航空会社間の協業を促進するために設立された組織です。2023年10月25日には、地域航空サービスアライアンス協議会（EAS Alliance）へと移行し、更なる発展を目指しています。

設立の背景

日本の人口減少に伴い、地域航空路線の利用者が減少する懸念がありました。国土交通省航空局は、この課題に対応するため、「持続可能な地域航空のあり方に関する研究会」を設置し、2018年3月に最終報告をまとめました。その後、実務者協議を経て、九州地域における航空会社間の協業を促進するため、大手航空会社2社（全日本空輸、日本航空）と地域航空会社3社（天草エアライン、オリエンタルエアブリッジ、日本エアコミューター）が共同で有限責任事業組合を設立することになりました。

EAS LLPは2019年10月25日に設立され、当初は4年間の活動期間を予定していました。しかし、3年経過後の検証を経て、2023年10月25日に「地域航空サービスアライアンス協議会」へと移行し、活動期間は2028年3月31日まで延長されました。協議会への移行により、協業可能な航空会社の新規参加や、関連法人・団体のオブザーバー参加が容易になり、より柔軟な連携が可能となりました。

協業事業

EASでは、主に以下の事業を通じて地域航空の活性化を目指しています。

コードシェア（共同運航）

2022年10月30日から、九州・沖縄地域内の全路線を対象にコードシェアを実施しています。これにより、利用者はより多くの便を利用できるようになり、利便性が向上しています。ただし、アライアンスに参加していないジェイエア、日本トランスオーシャン航空、琉球エアコミューターの運航便は対象外です。

• - 天草エアライン：全日本空輸とコードシェア運航
• - オリエンタルエアブリッジ：日本航空とコードシェア運航
• - 日本エアコミューター：全日本空輸とコードシェア運航

機材の共同運用

天草エアラインが機材の定期点検を行う際、日本エアコミューターが「共通事業機」として機材を貸与しています。また、オリエンタルエアブリッジも主要機材をATR42-600に統一したことで、乗務員訓練、運用、整備、部品調達における協力体制を築いています。

しかし、日本エアコミューターは多くのATR42-600型機を運用しており、グループ会社の北海道エアシステムとも共通事業機として機材を共有しています。そのため、整備やトラブル時には日本エアコミューターの負担が大きくなり、EAS LLP対応以降、日本エアコミューター便の欠航が度々発生する事態となっています。

需要喚起

機内誌やSNSを活用して、就航地の魅力を発信し、各社マイレージ会員を対象とした利用促進キャンペーンや、ダイナミックパッケージ（アイランド・ホッピングなど）を販売しています。これにより、地域への観光客誘致を促進し、航空需要の拡大を目指しています。

まとめ

地域航空サービスアライアンスは、航空会社間の協業を通じて地域航空の持続可能性を高めることを目指しています。コードシェアや機材の共同運用、需要喚起策を通じて、地域住民の移動手段を確保し、地域経済の活性化に貢献しています。今後も、より多くの航空会社や関連団体との連携を深め、地域航空の発展に尽力することが期待されます。

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