地方卸売市場とは？意味をやさしく解説

地方卸売 市場について

地方卸売市場は、日本国内で設立された卸売市場の一種であり、その設置は卸売市場法第4章に基づき、各都道府県知事の認定を受けることが必要です。この市場は主に市町村や第三セクター、さらには民間企業によって運営されています。

概要

卸売市場法において、地方卸売市場は明確にその位置付けがされています。過去には、中央卸売市場が国からの認可を受け設置されていましたが、地方卸売市場は都道府県の認可に基づいて開設されているため、設置の際の様々な要件も異なります。特に、2020年に行われた卸売市場法の改正により、中央卸売市場に関しての「認可」から「認定」へと変更がなされ、これに伴って開設区域内の人口規制が緩和されました。しかしながら、施設の規模に関しては、卸売場や仲卸売場、倉庫などの面積基準が厳格に定められています。

地方卸売市場には、特に卸売会社が自己の業務のために直接設置している市場も存在します。また、都道府県によっては中央卸売市場や地方卸売市場に加えて、「その他卸売市場」という区分を設けていることもあり、これは政令に適合しない規模の市場を指します。そのため、地域ごとに異なる規定や運用が行われていることも特徴的です。日本全国では、65ヵ所の中央卸売市場に対し、905ヵ所の地方卸売市場があります。

市場の分類

地方卸売市場は、一般的に消費地市場と産地市場の2つに大別されます。消費地市場は、人が多く集まる都市部に位置しており、産地市場は漁港市場のように、主に生鮮食品を扱う地域に設置されています。

名称の制限

卸売市場法第13条第1項により、地方卸売市場として認定されるためには、所定の基準に合致している必要があります。また、認定を受けていないにもかかわらず、地方卸売市場またはその名称に類似する名称を使用することは禁じられており、違反した場合には最大30万円の罰金が科されることも定められています。

主な地方卸売 市場

日本各地には多くの地方卸売市場が存在していますが、一部には過去に存在していたが閉鎖された市場もあります。以下にそのいくつかを挙げます。

- 松戸市公設地方卸売市場北部市場（千葉県松戸市）: 民間事業者が土地を所有し、市が借用の上開設されていましたが、2017年に閉場。その後、近隣市場に機能が移転されました。
- 師崎水産物地方卸売市場（愛知県南知多町）: 師崎漁業協同組合が運営していましたが、2020年に廃止され、現在は朝市形式のイベントが行われています。
- 中津大同青果（大分県中津市）: 開設者が事業を廃止したことにより、2023年に認定が失効しました。
- 諏訪市地方卸売市場（長野県諏訪市）: 取引量の減少から廃止され、その後民間施設として再開発されました。

まとめ

これらの情報から、地方卸売市場は地域経済に重要な役割を果たしており、その設置や運営は地域の特性に応じた柔軟な対応が求められます。卸売市場は、消費者と生産者を繋ぐ重要な拠点として、地域の食料供給や経済活性化に寄与しているのです。国や都道府県の政策とともに、今後もその形態は変わり続けるでしょう。

もう一度検索