地球大気開発計画

地球大気開発計画（GARP）

地球大気開発計画（GARP）は、1970年代中心に行われた大規模な国際的研究・開発プログラムです。この計画はWMO（世界気象機関）とICSU（国際学術連合会議）の共同のもと、地球の大気大循環について科学的に理解を深め、気象の長期予報の可能性を探ることを目的として始まりました。GARPは1967年にスタートし、1974年のGARP大西洋熱帯実験（GATE）から1982年のアルプス実験（ALPEX）まで、数多くの重要なフィールド実験が行われました。

計画の経緯

GARPの背景には、1961年12月の国連総会の決議がありました。この決議では、宇宙開発の一環として衛星を利用し、地球全体の大気に関する科学や技術の促進がWMOに勧告されました。また、1962年にはWMOとICSUに対して、これを補完する大気科学の研究を行うように要請されました。

その後、ICUGG（国際測地学・地球物理学連合）がこの研究計画に参加し、1967年には正式にGARPが発足しました。WMOは大気科学委員会(CAS)を設置し、各国の研究機関と協力してGARPを進めることを決定しました。これにより、全球気象実験や極域実験、モンスーン実験など、さまざまな研究プロジェクトが行われました。これらの研究は、気候変動の理解にも深く関わっており、WCP（世界気候計画）へと引き継がれました。

GARPの成果と影響

GARPの活動は、気象学の進展に大きな影響を与えました。数多くのフィールド実験を通じて数値予報の精度が大幅に向上し、気象予測技術の発展に寄与しました。特に、GATEでは熱帯気象の変動に関する重要なデータが収集され、これが今後の気象研究においても基盤となりました。
全体として、GARPは現業観測であるWWWプログラムと密接に連携しながら、相互の研究成果を生かすことで、気象学や大気科学の発展に寄与しました。

年表: GATEの現状

• - 1972年: GARPの最初の実験設計提案がWMOとICSUに承認される。
• - 1974年6月15日: 実験が開始。
• - 1974年6月17日 - 25日: 第一次中間報告が行われる。
• - 1974年6月26日 - 7月16日: 観測フェーズI。
• - 1974年7月17日 - 27日: 第二次中間報告。
• - 1974年7月28日 - 8月17日: 観測フェーズII。
• - 1974年8月18日 - 29日: 第三次中間報告。
• - 1974年8月30日 - 9月19日: 観測フェーズIII。
• - 1974年9月20日 - 23日: 最終報告。

このように、GARPの取り組みは気象科学の発展に寄与し、国際的な連携による研究の重要性を強調するものとなりました。

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