地球規模生物多様性情報機構

地球規模生物多様性情報機構（GBIF）

地球規模生物多様性情報機構（GBIF）は、世界中の生物に関するデータを収集し、研究者や政策決定者が利用できるように整備する国際的な科学プロジェクトです。2001年に設立されたこの機関は、世界中の生物多様性情報を電子的に整理し、インターネット上でアクセスできるようにすることを目的としています。事務局はデンマークのコペンハーゲン大学動物学博物館に所在しています。

GBIFの設立は、1992年の地球サミットでの気候変動枠組条約や生物多様性条約に関連した背景のもとにあります。生物多様性情報の基盤整備が国際的に求められていた中、OECDメガサイエンス・フォーラムの勧告に基づき、専門家の協議を経て正式に発足しました。GBIFは、生物学的データを整備し、研究に活用できるシステムの構築を進めています。

データの発展

設立以来、GBIFが収集したデータは急速に増加しています。例えば、2009年には約1億8000万件のデータが集積されていましたが、2015年には5億7000万件以上、2023年4月には約23億件に達しました。この大量のデータは、年間700本以上の研究論文に引用されるなど、科学研究や外来種のモニタリング、気候変動の影響評価、保護区域の設定などに利用されています。

GBIFの運営

GBIFは、参加国が情報を提供し、国に基づく拠出金によって運営されています。各国は情報発信拠点を設け、収集したデータは統一された形式（例えば、Darwin Core規格）でGBIFに提供されます。データのライセンスには異なる条件（CC0、CC-BY、CC-BY-NC）が設定されており、データ利用状況を追跡するために各データセットにはDOI（デジタルオブジェクト識別子）が付与されています。

正規会員国は理事会の投票権を持ち、機関・団体は準正規会員として意見を述べることが可能です。理事会は年に一度開催され、執行委員会などが日常の活動を担当します。活動方針は生物多様性情報提供が保全活動にどう貢献できるかを重視しています。

参加国の増加

GBIFの参加国は年々増えており、設立当初の39か国・機関から、2023年には正式会員が41か国、準正規会員が23か国、さらに43機関・団体にまで拡大しています。これにより、多様な視点から生物多様性情報が集まっており、研究者や政策立案者にとって貴重なリソースとなっています。

結論

地球規模生物多様性情報機構は、生物の観察、研究、保護に関する情報の収集と提供を通じて、環境保護に寄与している重要な国際機関です。今後も生物多様性の維持と持続可能な利用に向けて、その活動が期待されています。

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