坂口泰

坂口 泰のプロフィールと指導者としての功績

坂口 泰（さかぐち やすし、1961年9月2日生まれ）は、日本の元陸上競技選手であり、現在は陸上長距離の指導者として活躍しています。彼は、男子マラソン強化コーチとして日本陸連で重要な役割を担っています。

経歴

坂口は広島県世羅郡世羅町の出身です。地域は駅伝競走が盛んな場所で、彼もこの環境で育ちました。地元の名門校である広島県立世羅高校に通い、駅伝の中心選手として活躍しました。高校2年生の時には全国大会で4位、3年生の時には区間賞を獲得しました。さらにインターハイの1500mと国体の5000mでは優勝を果たし、その実力を証明しました。

卒業後は広島大学に進学し、教師になるつもりでしたが、運命的な出会いから早稲田大学に進学。その際、当時の監督である中村清からの影響も大きく、駅伝においては数々の記録を樹立しました。特に箱根駅伝では、4年生の時に早稲田大学が30年ぶりに完全優勝を成し遂げるために貢献しました。

1984年にはエスビー食品に入社し、実業団駅伝にも参加。その後、マラソンへと転向し、1987年にはびわ湖毎日マラソンで2時間11分8秒のタイムで2位を獲得しましたが、心臓疾患のため現役引退を余儀なくされました。

指導者としての歩み

1990年、坂口は故郷の中国電力の陸上部の創設に関わり、その後コーチに就任しました。さらに広島大学大学院に通いながら、1992年には監督に就任しました。彼が指導した当初、中国電力のチームは無名でしたが、そこでメスを入れたことが劇的な変化をもたらしました。夜に街灯の下で練習するという厳しい環境の中で、坂口は多くの優れた選手たちを育成しました。油谷繁、内冨恭則、尾方剛など、数々の選手をトップレベルに引き上げ、2004年には全日本実業団駅伝で初優勝を果たしました。これ以降、中国電力はコニカミノルタと並ぶ実力派チームとして名を馳せることとなります。

また、坂口が指導した選手は世界陸上でも活躍し、例えば2003年にはマラソン団体金メダルを獲得するなど、国際舞台でも存在感を示しました。指導方針としては、「何をなすべきか」を選手に理解させることを重視。彼は中村清監督の教えを経て、自身の指導スタイルを確立しました。

2016年には、東京五輪に向けた男子マラソン強化コーチに就任し、陸上界においてスポーツ界の発展に寄与しています。坂口 泰は、選手としての経験を活かし、指導者としても卓越した成果を上げることで、日本の陸上競技における重要な存在となったのです。

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