坂東しうか (初代)

初代 坂東しうか

初代 坂東しうか（1813年 - 1855年）は、江戸時代後期の歌舞伎役者です。屋号は大和屋、俳名に玉花・秀歌、別号に高清亭と称しました。

生涯

市村座の帳元・橘屋治助の次男として生まれ、後に三代目坂東三津五郎の養子となり、坂東玉之助を名乗ります。1824年に市村座で子役として初舞台を踏み、その後、名古屋や大坂で修行を重ねました。1839年には、養父の俳名・秀佳から仮名を取り、坂東しうかと改名。後に表記を秀歌に変えましたが、再びしうかに戻しました。

1855年、口の腫物が悪化し死去。死後、五代目坂東三津五郎が追贈されました。

芸風と人物

風采が良く、口跡に優れていたと伝えられています。派手で伝法肌の女形を得意とし、特に三代目三津五郎が得意とした『青砥稿花紅彩画』（白浪五人男）を女性向きに書き換えた『仕入曾我雁金染』のお文、女清玄、浦里、鬼神お松などの役で人気を博しました。また、『初袷雁五紋』は大好評を博しました。

性格は豪放磊落で、金遣いが荒く、借金も多かったようです。しかし、人望は厚く、弟子をはじめ、木戸芸者、落語家、寄席芸人、太鼓持ちなど、多くの人々が彼女を慕い、常に20～30人もの人々が彼女の家に集まって食事をしていたと言われています。

その性格と当たり役から、「借金のお分さん」という愛称で親しまれました。

関連項目

歌舞伎
歌舞伎役者
* 坂東三津五郎

もう一度検索