坂東彦三郎 (4代目)

四代目坂東彦三郎

四代目坂東彦三郎（よだいめ ばんどう ひこさぶろう）は1800年（寛政12年）に生まれ、1873年（明治6年）に没した幕末から明治初期の著名な歌舞伎役者です。彼の屋号は音羽屋であり、俳名として薪水や楽善を持っています。通称は亀旦那または彦旦那で、享年74歳の生涯を送りました。また、彼の戒名は長承院斎誉彦光居士です。

坂東彦三郎は市村座の帳元・福地茂兵衛の子として誕生し、三代目坂東彦三郎の甥であり養子でもありました。文化9年（1812年）11月に初めて市村座で舞台に立ち、その際には市村竹三郎の名で出演しました。翌年には市村亀三郎と名を改め、さらに文化13年（1816年）11月には三代目坂東彦三郎の養子となり、四代目坂東彦三郎を襲名しました。

彼の活動は名古屋や大坂を中心に広がり、後に備中や尾道などの芝居小屋でも多数の公演を行いました。天保6年（1835年）には江戸に戻り、安政3年（1856年）3月に養子の初代坂東竹三郎に「彦三郎」の名を譲り、自らは初代坂東亀蔵として活動することとなります。その後、再び上方に上り、各地での舞台に出演し続けました。

明治4年（1871年）には一世一代の舞台として「有職鎌倉山」の佐野兵衛を演じ、ここで引退を宣言しました。1873年（明治6年）にはその生涯を閉じました。

若きころには『菅原伝授手習鑑』の桜丸や『一谷嫩軍記』の源義経など、数々の二枚目（美男）役で高い人気を集めていましたが、後期には実事や所作、そして武道に関しても熟達し、老役や敵役をも器用に演じ分けました。

また、彼の養子には五代目坂東彦三郎がおり、歌舞伎界での伝統が受け継がれていくことになりました。坂東彦三郎の演技は多彩であり、時代を超えて多くの観客に感動を与え続けています。

関連項目

• - 坂東彦三郎（名跡）

脚注

（出典に関連する情報は後々必要に応じて記載することが考えられます）

もう一度検索