坂東流

坂東流（ばんどうりゅう）

坂東流は、日本舞踊における主要な流派の一つであり、五大流派として知られています。文化文政期（1804年 - 1830年）に活躍した歌舞伎役者、三代目坂東三津五郎を流祖としています。

特徴

三代目坂東三津五郎が初演した作品には、『浅妻船』、『傀儡師』、『源太』、『玉兎』、『汐汲』、『まかしょ』などがあり、現在でも日本舞踊の定番として広く親しまれています。これらの演目は、坂東流の舞踊の基盤をなし、多くの舞踊家に影響を与え続けています。

系統

坂東流は、大きく分けて宗家と志賀次派の二つの系統があります。

宗家

宗家は、坂東三津五郎の名跡を継承する家系です。歴代の宗家は以下の通りです。

流祖：三代目坂東三津五郎（1831年没）
二代目：四代目坂東三津五郎（十一代目守田勘彌、1863年没）
七代目坂東三津五郎（1961年没）
八代目坂東三津五郎（1975年没）
九代目坂東三津五郎（1999年没）
十代目坂東三津五郎（2015年没）
当代：二代目坂東巳之助

八代目三津五郎の急逝後、後継者争いが起こりましたが、一門の意向により九代目坂東三津五郎が宗家を継承しました。

志賀次派

志賀次派は、三代目坂東三津五郎の弟である坂東志賀次を元祖とする系統です。志賀次の娘であるきくが、父の芸風を体系的に確立し、坂東流の一派としました。きくは「坂東志賀次」の名跡を襲名し、慶応年間までに舞踊界と劇界で重要な地位を確立しました。志賀次派坂東流は、きくを初代としています。

元祖：坂東志賀次（三代目坂東三津五郎の弟）
初代：坂東志賀次（元祖の娘、四代目坂東三津五郎の姉、守田きく）
二代目：坂東志賀次（初代の養女、高橋モト）
三代目：坂東志賀次（二代目の門弟、山路ひで）
四代目：坂東志賀次（三代目の養女、坂東三津菊、坂東遥）

参考文献

坂東会創立100周年記念書籍制作委員 編『初心忘れず━━坂東会創立100年』坂東会、2021年。ISBN 978-4-600-00768-3。

外部リンク

日本舞踊 坂東流
* 日本舞踊坂東流 - YouTubeチャンネル

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