坂東玉三郎

坂東玉三郎は、歌舞伎界において重要な名跡の一つであり、その歴史は初代から五代目に至るまで、多くの才能ある役者たちによって彩られてきました。

初代 坂東玉三郎は、市村座の帳元である橘屋治助の次男として生まれ、1813年から1855年まで活躍しました。彼は、坂東玉之助から初代坂東玉三郎へと名を改め、その後、坂東秀佳、坂東しうか、坂東秀歌と名乗りを変え、最終的には初代坂東しうかを名乗り、死後には五代目坂東三津五郎を追贈されました。

二代目 坂東玉三郎は、初代の養子として迎えられましたが、後に離縁しました。彼は1830年から1872年まで活動し、坂東玉市から二代目坂東玉三郎となり、後に四代目坂東蓑助を襲名しました。

三代目 坂東玉三郎は、特筆すべき存在です。十二代目守田勘彌の五女として生まれ、1883年から1905年という短い生涯を送りました。彼女は坂東喜美江として舞台に立ち、三代目坂東玉三郎を名乗りました。セントルイス万国博覧会で日本の踊りを披露し、高い評価を得ましたが、ブロードウェイ視察のために滞在していたニューヨークで心臓病により22歳という若さで急逝しました。

四代目 坂東玉三郎は、三代目の姉であるみきの子で、三代目の弟である十三代目守田勘彌の養子となりました。1907年から1975年まで活動し、四代目坂東玉三郎から三代目坂東志うかへと改名し、最終的には十四代目守田勘彌を襲名しました。また、実子には二代目水谷八重子がいます。

五代目 坂東玉三郎は、四代目の養子であり、1950年生まれの当代です。幼少期に小児麻痺を患い、リハビリのために舞踊を始めたことがきっかけで、四代目（十四代目守田勘彌）の部屋子となり、後に養子となりました。坂東喜の字という名で初舞台を踏み、その後五代目坂東玉三郎を襲名し、現在に至ります。

このように、坂東玉三郎の名跡は、それぞれの時代で異なる個性の役者たちによって受け継がれ、歌舞伎の歴史にその名を刻んでいます。各世代の坂東玉三郎は、歌舞伎の発展に貢献し、その独特の芸風で観客を魅了し続けています。

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